総勢11人の作家が作り上げた仮想の町『蝦蟇倉市』を舞台とするアンソロジーミステリーの上巻。
道尾秀介の作品は上巻の中では断トツ。
一度目は素直に騙されて読み返し、後書きで慌てて三度読み。
ただし、初版は69ページ16行目に「致命的な誤植」があるのでご注意を。
×「七時二十五分」→○「六時五十八分」 詳細は公式サイトを参照してください。
次点では福田栄一が面白かったです。素直に続編を読みたくて、姉の活躍をまた見たいと思いました。彼女の上司が道尾作品の「あの人」というのも面白かった。
ただ、「お祭り騒ぎ」という側面から見るとこの両氏の作品は「真面目すぎる」かもしれません。
二本目の伊坂作品は、道尾氏の作り上げた世界観を和らげ、悪く言えば「ちゃかした感じ」になりました。個人的には少し蛇足だなと感じましたが。
残る大山・伯方両氏の作品は、この『蝦蟇倉』をギャグ方向に大幅に修正したと思います。
方向性がすごく違う作家さんたちなので、全部がお気に入りってことはない本だと思いますが、企画モノとしては面白い一冊でした。下巻も読みます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2010年6月28日
- 読了日 : 2010年6月27日
- 本棚登録日 : 2010年6月27日
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