小学五年生 (文春文庫 し 38-8)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年12月4日発売)
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感想 : 182
4

葉桜
色々動くが何も肝心なことは動かない。小さい時はそうだった。適切な動き方がわからないし、動ける範囲にも限界があった。

おとうと
…別にたいしたことないよ、もっときれいなの、いっぱいあるよ…オレ、知ってるから、今度アッくんに見せてやるから…

友だちの友だち
この設定なら、中編くらいで楽しめたかも。短編すぎて浸りきれない。死は重い

カンダさん
子どもから見えにくい大人の恋愛。カンダをカタカナにしてるとこに現れている。けど、破談の理由が赤裸々でそのムードが壊れた。中学生になって、次の彼氏にははまらなくて、カンダさんにも興醒めして、というのは思春期らしい。

雨宿り
ただでさえ短いのに場面が変わって忙しい。一個ずつ山場やオチがついてまとまる

もこちん
男子もバカだけど、ちょっとませた女子もまぁややこしい。あの全能感が男子にとっての黒歴史みたいに残るのだろうか。

何小、フォーエバー
気の毒。なんで最後いい感じに締まったのか謎。

プラネタリウム
こんな風にモヤモヤムラムラするのって男子だけなのかな。

ケンタのたそがれ
境遇には同情するが、問題行動ってこういう背景も大いにあるんだろうなぁ。母親を責められないが、子どもはこの境遇の苦しさから非行に走るんだなぁと感じられた。生活に満たされていたら、悪いことする暇がないんだな

バスに乗って
河野さんがなんか言ったら泣けてた。ありきたりだけどその方がよかったなぁ

ライギョ
ライギョは、釣れたんだろうか。障害は、まだ小学生の理解には及ばないところもある。障害よりもまず、人権意識を育てることが重要で最短。

すねぼんさん
シチュエーションがちょっと独特

川湯にて
これも独特。母の心情の深いところは子どもには見えない。でも浅いところは見えるのが切ない

おこた
独特


委員選出の設定がうまくて、コンプレックスや見栄が綺麗に浮かぶ。こんな設定に遭遇したことはないけどすごい共感できる。自分もこんな小癪な子どもだった

どきどき
チョコが内心ほしい気持ちと滑っていく時間がテンポよく進んでいく。バカだと思ってたあいつが貰えて自分は…この世の終わり、自分はこれからもずっと…ってなるよね男の子

タオル
人が死ぬ、生きていくってことを実感するのは、葬式じゃなくてもっと違うタイミングであればいいと思わされた。

あとがきより
少しキャラを引き気味にして、小学5年生の少年が佇んでいる風景を描きたかった。いつの時代でも、どこの町でも、小学5年生のいる風景は、決して薔薇色に光り輝く時ばかりではないにしても、それでもやはり、かけがえのない美しさを持っていてほしいと願っているし、持っているはずたと信じてもいる。

5年生、もしくはそれ以降の男子は悩みがいっぱい。境遇はそれぞれでも、悩み葛藤する場面はどれも共感できるものばかり。子どもにも勧めたいけど、男子にしかわからないかもしれないし、なんだか女子にはこの胸の内を悟られたくない。そして実際の5年生はこの情景や心情をどう受け取るだろう。過ぎ去ったからこそ、美しく感じられるのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月21日
読了日 : 2024年3月29日
本棚登録日 : 2024年3月21日

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