希望の糸

著者 :
  • 講談社 (2019年7月5日発売)
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本棚登録 : 6776
感想 : 712
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東野圭吾さんの最新作ということで購入。
てっきり読み切りの作品かと思いきや、「新参者」シリーズの加賀恭一郎が登場します。しかしスピンオフ作品だと
読んでいくと、松宮脩平と聞いて、あれ?どこかで聞いたことがあるなぁと思いながら、読み進むと警視庁に異動された加賀恭一郎も登場し、このシリーズかと思いました。てっきり、完結していたと思っていたので、驚きました。
「祈りの幕が下りる時」では、加賀の過去編としたら、この作品では松宮の過去篇かと思います。
最初は、バラバラだと思っていた複数のストーリーが、糸が絡むかのように大きく分けて二つのストーリーとして進行しています。一つは松宮が担当する殺人事件について、もう一つはある旅館の女将の父親についてです。
今回は、犯人捜しというよりは、ある二人の出生の秘密がメインです。犯人はあっさりわかるので、そこを期待して読まない方が良いです。
しかし、一人の女性が殺されたことやガンに冒されたある男をきっかけに蜘蛛の巣状に様々な人間模様が垣間見れるので、そこが醍醐味かと思います。なによりもすごいのは、伏線の回収です。一見関係ないと思っていた出来事も最終的には複雑に絡みあっています。多分この本に出てくる全ての出来事が最後に回収されているかと思います。
読んだ後は、ほんわかとした感じにさせてくれましたし、また加賀恭一郎シリーズを読めたことに満足感がありました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2019年7月
感想投稿日 : 2019年7月13日
読了日 : 2019年7月13日
本棚登録日 : 2019年7月13日

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