どこにでもある場所とどこにもいない私

著者 :
  • 文藝春秋 (2003年4月24日発売)
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本棚登録 : 358
感想 : 49
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 村上春樹と比較され、「W村上」とも言われる、村上龍の作品を読んだことがなかったので、読まず嫌いせずに読んでみた。
この本は、8作品による短編集である。読み終わった後は、ふーん・・いろんな人がいて、いろんなことを感じているんだということを伝える作品かなと感じた。また、こういう状況に陥る人も実際にいるかもしれないと感じた。
 しかし、”どこにでもある場所を舞台にして、社会的ではない、他人と共有できない個別な希望を書きたかった”著者による、このあとがきを読んで、それは表面的な読み方であったと感じた。自分の生活の中で背景的存在の他人にも、それぞれ個別の願いがあり、希望があり、そのために、その人なりにもがいてることに気が付かなくてはならなかったと感じた。つまり、誰もが、将来が今よりよいよいものにしようともがいているのだ。それをみんなが気付けば、平和な世界に~とは思わないが
 これから読む人がいるなら、これを念頭においてこの本を読んでほしい。個人的には「空港」がおすすめ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年1月9日
読了日 : 2013年1月9日
本棚登録日 : 2013年1月9日

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