前作「三つ編み」では、同じ時を生きるイタリア・インド・カナダの女性たちの人生を、まさに三つ編みのように交差させて描いていたが、今作は、フランスの同じ場所を舞台に別の時代を生きる女性たちを描いている。
それぞれ横軸と縦軸で紡ぐ物語。
その切り取り方がすごい。
100年ほど前、救世軍の創成期の頃に幾多の困難を乗り越え、女性のための居場所を造った女性ブランシュと、現代に生きるバーンアウトしてしまった敏腕弁護士ソレーヌ。自分を含め女性が抱える困難に寄り添い、立ち向かう二人の女性の生き方に、諦めずに進めと言われているような気がする。
救世軍は、年末になるとターミナル駅などで募金を募る「社会鍋」を、子どもの頃よく見た。
その名前が印象的だったが、日本ではあまり知られていないのではないだろうか。この物語を通して、思いがけず救世軍のことも知ることができきた。
2020.12.18
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
953フランス文学
- 感想投稿日 : 2021年4月25日
- 読了日 : 2020年12月18日
- 本棚登録日 : 2020年12月12日
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