アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた 失われたカムイ伝説とアイヌの歴史

  • ユサブル (2022年7月14日発売)
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感想 : 13
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じっくりと時間をかけて読んだ。

著者のカベルナリア吉田さんは、何事も決めつけることなく常に疑問を持ちながら北海道・アイヌの地を7年もの月日をかけて巡り、形にされた。
北海道のディープなガイドブックくらいの気持ちで読み始めたのだが、歴史的な観点や伝承、行政の話など多岐にわたり、何度も読み返す場面もあった。

北海道には何度か訪れたことがあるが、本当に表面的な観光でしかなく、そのイメージは20年以上アップデートされることがなかった。
和人とアイヌの歴史、納沙布岬や宗谷岬に掲げられる”愛国”的な碑石、交通網が途絶え始めている現状など、東京圏で生活していると全く意識に上らないそれらのことが、大きな比重で迫ってくる。

中身の薄い箱物を作るのではなく、ニュージランドがマオリ文化の教育を推進しているように、教育の一端にアイヌの歴史や文化を学ぶカリキュラムを組み込むことが必要だと感じた。
2023.2.1

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2類地理・歴史
感想投稿日 : 2023年2月8日
読了日 : 2023年2月1日
本棚登録日 : 2023年2月8日

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