既存の資本論をもとにしていないだろうと思う。
なので拍子抜けしてしまったのだが、それはそれとして良い事は書かれている。
本書で堀江氏は、知識や体験に裏打ちされたコミュニケーション力を重要なものとして主張されており、その点とても納得がいった。
コミュニケーションをもとに社会の中で活動し、更に知識、経験、実績を積み、コミュニケーション能力を磨き、そのスパイラルの中で信用が高まる。
「この情報スパイラルを数値で表すのが、レバレッジのかかっていない、実態としてのお金」と述べていて、この実態としてのお金が仕事上で発揮できると、給与や報酬といった金銭の形でリターンを受けられる。
お金とは信用が形を持ったもの、という概念は昔からあらゆる本で言われてきたことだが、堀江氏が投資はマネーゲームと切り捨て、徹底的にビジネス投資にかけたり、新規ビジネスを次々と着手したり、自身がSNSや各種メディアに発信する所以がこの主張から読み取れる。
カールマルクスの文体や他者との交流から、彼にはとても良好なコミュニケーション能力があったとは僕は思えない。
現代的な視点から金融資本主義を見つめ直したという意味で、タイトルに「新」が入っているのは頷ける。
コミュニケーションという要素の有無の重視が、昔と今の一つの差異だろう。
まぁ、数ある差異の内のあくまで一点ではあるが。
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- 感想投稿日 : 2024年2月27日
- 読了日 : 2022年4月9日
- 本棚登録日 : 2022年4月8日
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