新・資本論 僕はお金の正体がわかった (宝島社新書) (宝島社新書 292)

著者 :
  • 宝島社 (2009年7月10日発売)
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既存の資本論をもとにしていないだろうと思う。
なので拍子抜けしてしまったのだが、それはそれとして良い事は書かれている。

本書で堀江氏は、知識や体験に裏打ちされたコミュニケーション力を重要なものとして主張されており、その点とても納得がいった。
コミュニケーションをもとに社会の中で活動し、更に知識、経験、実績を積み、コミュニケーション能力を磨き、そのスパイラルの中で信用が高まる。
「この情報スパイラルを数値で表すのが、レバレッジのかかっていない、実態としてのお金」と述べていて、この実態としてのお金が仕事上で発揮できると、給与や報酬といった金銭の形でリターンを受けられる。

お金とは信用が形を持ったもの、という概念は昔からあらゆる本で言われてきたことだが、堀江氏が投資はマネーゲームと切り捨て、徹底的にビジネス投資にかけたり、新規ビジネスを次々と着手したり、自身がSNSや各種メディアに発信する所以がこの主張から読み取れる。

カールマルクスの文体や他者との交流から、彼にはとても良好なコミュニケーション能力があったとは僕は思えない。
現代的な視点から金融資本主義を見つめ直したという意味で、タイトルに「新」が入っているのは頷ける。
コミュニケーションという要素の有無の重視が、昔と今の一つの差異だろう。
まぁ、数ある差異の内のあくまで一点ではあるが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年2月27日
読了日 : 2022年4月9日
本棚登録日 : 2022年4月8日

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