鼓笛隊の襲来 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2011年2月18日発売)
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本棚登録 : 733
感想 : 106
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となり町戦争で知った三崎亜記氏。あの不思議な、でもしっかり現実な世界観が好きでした。
その世界観に浸りたくて購入した本書。

どっぷり三崎ワールドにつかれるー!

【鼓笛隊の襲来】
大型台風…かと思いきや鼓笛隊!?鼓笛隊が台風ならマーチングバンドは温帯低気圧ってところなのかな?笑
巻き込まれてついていっちゃう設定が好き。
最後の出会っちゃうところが好き。

【彼女の痕跡展】
こういうことって無いですか!?記憶じゃないけど、急に悲しい感情とか焦りの感情が出てきて、でも何に対してそうなってるのか分からなくて…ってことが偶にあるんです。
あなたが私で私があなたみたいな話。

【覆面社員】
ちょーっと違うかもだけど、昨今のこのマスクをする風潮を見てたらこの覆面と被るものが多い気がする。
確かに覆面をすればその人の美醜なんかも含めてフラットに見ることはできるかもよね。
例えば見た目の話、生意気そうだから気に入らないとか。生意気かどうかではなく生意気そう。
でももうそうなってくるとどっちが現実なのか、分かんないよね。どっちの世界を生きてるのか。

【できる象さんすべり台のある街】
あったよねぇ〜ぞうさんの滑り台。と、思いきや。本物ですか!?
準公務員の守秘義務を破ってしまったぞうさん素敵。

【突起型選択装置】
結局何のボタンだったんだろう…明かされないしそれでいいと思うけど、何が起こるのかめっちゃ気になる…
しかしボタンっていい読み替えできるもんですね。突起型って…

【「欠陥」住宅】
こちらはちょっとホラー風味。高橋さんはどこの狭間?パラレルワールド?にはまりこんでしまったのー!

【遠距離・恋愛】
すごく不思議な、でも恋愛全開の恋愛小説でした。
三崎ワールドで恋愛小説書くとこうなるんだぜ!
浮く都市と聞いて某アニメ映画を思い出したのは私だけじゃないはず…!?

【校庭】
こちらもホラー風味。
よくあるやつです。 最後の人が入れ替わる。入れ替わられた人は次の生贄を探す。

【同じ夜空を見上げて】
最後は切ない物語。
でも主人公がしっかり前を向いて歩いていく。

すべてがファンタジーでない、でもちょっと不思議で現実もすごくうまく練り込まれてる、まさに三崎ワールドが展開されてる素晴らしい作品でした。
ファンタジー・SF苦手(飲まれて訳わかんなくなる)にはもってこいだ!


@手持ち本

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本〚本棚にいる〛
感想投稿日 : 2023年6月29日
読了日 : 2023年6月29日
本棚登録日 : 2023年6月28日

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