面白かった。
今回は二つの時代を行き来する話。(前作の「三つ編み」では場所を行き来していた)。
エリート女性の主人公が、依頼者の人生を聞いてぼろぼろと泣いてしまうところが、生きてきた境遇は違えどエンパシー(共感)で繋がれるんだというシスターフッドの希望を表しているようで、とてもよかった。
またアフリカの国で「女は男の名前で呼ばれる。(男の名前)の妻、娘、妹……」という説明書きのところを読んで、強制的夫婦同姓(そして96%の女性の姓が夫の姓に変更になっている)の意味についてすごくピンと来た。前々から「夫婦別姓を許すと誰が誰の妻か、既婚か未婚かわからないじゃないか」と言っている国会議員がいるという話を知っていて、「そんな、女を男の所有物として見るから生まれる発想する人いるんだ」と変なものを見る目で見ていたけれど、多分「倫理的に正しくない」けれど「普遍」ではある認識で、それが事実なんだとそのフレーズで初めて思い至った。
レティシアさんの作品はめちゃくちゃ心揺さぶられるしその割にするする読めて本当に心地良い読了感をくれるので、好き。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年11月24日
- 読了日 : 2020年11月24日
- 本棚登録日 : 2020年11月24日
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