ryo0226さんの感想・レビュー

急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫)

著者 : マルコム・グラッドウェル Malcolm Gladwell 高橋啓

• SBクリエイティブ (2007年6月23日発売)

マルコム・グラッドウェルのThe tipping pointの邦訳版。WEB以前からのバイラルについて、口コミの拡散について書かれた良書。

急に売れ始めるものやサービス、流行は、それぞれがティッピング・ポイントという瞬間を越えてから爆発的に広がっていくとされている。

そのさまはさながら感染症の拡大のような展開を見せる。
書の中では著者は、ティッピング・ポイントにいたるための3原則として、１：少数者の法則２：粘りの法則３：背景の力をあげている。それぞれの原則が、心理学や社会学の見地から実験結果や社会での実例を踏まえ、わかりやすく、解説されていた。

要約すると、①ハブとなる人や伝える人、吟味する人、説き伏せる人などに伝え、②ディテールにこだわった（細部のちょっとした仕組みがきっかけになりえる）、③社会的背景、状況に留意した物（もしくは背景に工夫をこらす、背景を少し変える）をつくりだすことで、ティッピング・ポイントをこえていこうということである。人間の本質を見抜き、人間について考えぬき、爆発的感染のための核となる細部を見つけ、工夫をこらし、ティッピング・ポイントをこえていけということだ。

その他にも、５章のダンバー数の話や６章のサブカルチャーから主流層に流行を広げ、かつ両方（イノベーター層と大衆層）との関係継続させていく仕組み（失敗したい理由含め）についての話が、とくにおもしろかった。

感想投稿日 : 2012年1月18日

読了日 : 2012年1月18日

本棚登録日 : 2012年1月18日