この本は、実際に戦争中に存在した関東軍防衛給水部(731部隊・石川部隊として有名)をモデルにした作品である。
曽根二朗という非凡な医者が、中国で化学兵器を作成し人体実験する物語である。
昨今では、あまり読まれない作品に入るやしれないが、ぜひ読んでほしい一冊である。
世界では今も化学兵器の開発が行われ、オウム事件のような民間テロもいつおこるともしれない。曽根二朗とい医学研究者を通して、人のための科学を、人を殺めるための科学に援用していくさまを読んでほしい。
蚤とは、細菌のカプセルである。それを爆弾に詰めてどうしたら人に感染させられるか、それを深淵に考える、その存在が怖い。
コロナ禍。ウィルス・細菌の怖さは承知している。
細菌(ウィルス)製造という決してやってはいけないことをした国がかつてあり、今もどこかにあるのかもしれない。
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カテゴリ:
昭和という時代
- 感想投稿日 : 2021年1月11日
- 本棚登録日 : 2021年1月11日
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