長い長い物語。出会い、戯れ、離れ、惹かれ、理解し、助け合い、協力し、それぞれの人生を過ごしながらも常にその存在がそこにある。ヤンとヤネケの関係は、「愛」というより「信頼する同志」「同じ時代を生きてきた戦友」を感じさせた。全編に渡って駆使される、時制や場面を一気に飛び越えるかのような文章が、分かりづらいながらも魅力的だ。ただ、物語自体にはさほどの推進力がないので結構退屈。それに、レオの成長後の姿にはがっかりだったけれど、母親を放棄したヤネケにそれを批判する権利はないだろう、とは思った。
帯を見たときはヤネケの物語だと思っていたけれど、これはヤンの物語だった。人の好みは様々だ。ヤンが幸福ならそれで良い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
絵巻物語
- 感想投稿日 : 2022年4月28日
- 読了日 : 2022年4月28日
- 本棚登録日 : 2022年4月28日
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