久しぶりの長編小説。
先が気になってぐいぐい引き込まれて読んだ。
現代の恋愛や婚活の大変さが生々しく描かれていて読み応えある作品だった。
婚活で知り合ったのは真実(マミ)35歳と
架(カケル)39歳、
ストーカーに遭っていると震える真実(マミ)に、架は結婚を決意し一緒に住むことにした。
だがある日突然、真実(マミ)が失踪!!
真実の居場所を探すため架は彼女の「過去」と向き合っていく為に、真実の実家に行ったりしていく。。。
実家にいたときに結婚相談所で婚活をしていたというので、相談所の女性の小野里と会い、いろんな話を架が聞いていく…。
現代の結婚がうまくいかない理由は「傲慢と善良」にあるー
この小説のタイトルにもある言葉がテーマになっていて、それは作中で何度も出てきた言葉である…
結婚となると、なかなか決められない。
誰でも謙虚で高望みしていないと言い、自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いとか…。
ほんとに誰しもそうだと思う。
なかなか自分に合う人に巡り会うのは難しい…。
ピンとこないという言葉!その正体は自分につけている値段だという。
ささやかな幸せが掴みたいだけなのに…
傷つきたくない、変わりたくない…気持ちがある…、
いろいろと頷きながら読み進めてしまった。
一般的に男女間でも結婚したい時期やタイミングって違うと思う。
出産を考える女性は早めに結婚したい気持ちも当然あるのだが男性側は、なかなか踏み切れないことも多いように思う。
でも女性から結婚を迫れない女心もあるから悩ましい問題。
男性側も妻子を持つことをなかなか決断できないために相手を逃してしまったりする。
この物語の真実(マミ)もいろいろと悩んでいた、
その気持ちはわかる…!
でもこの物語の真実(マミ)に関しては………。
いくら傷ついてしまったとはいえ…
式場予約をしたまま、連絡をとらずに長期間、
婚約者や家族に大きな心配や迷惑をかけたままでいたことは、30歳を過ぎているのに幼いのではないかと思わずにはいられなかった。
だから結末はそっちに行く?
と、ちょっとびっくりしてしまった。
でも真実(マミ)の事を、全て受け入れられる架に驚きつつも、なるほどこれが、恋愛ってことなんだなと思えた。
この本はこれから結婚…と考えたりしている世代や
その親達世代も読むといろいろと考えさせられる
1冊だと思った。
- 感想投稿日 : 2023年10月9日
- 読了日 : 2023年10月7日
- 本棚登録日 : 2023年10月7日
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