ずっと読みたいと思っていた本。
素晴らしい本に巡り会えた、良かった。
今現在、学生さんだけではなく、親御さん方にも、ぜひとも読んでみてほしいと、思える本だった。
私はこういう本にすごく弱い。
子供が悩み苦しむ系…、に、すごく弱い。
読んでいて、辛いなあ、苦しいなあ、
あー、やるせない!!、ムカつく!等々、
本当に胸がぎゅっとなってしまって。
あるよね、こんなことって…すごく、わかるなあ、と思って辛くなった。
辻村深月さんの、リアルで、繊細な心理描写に、
ほんとに心をもっていかれてしまった。
主人公の、安西こころ(中1)は、入学してすぐに、クラスの中心人物、真田美織から、嫌がらせを受けて学校に行けなくなる。ある日、自分の部屋に閉じこもっていると、部屋の鏡が、まばゆい光を放っていることに気がつく。こころは恐る恐る鏡に手を触れると、見知らぬ城の異世界に、引き込まれてしまう。そこは、「オオカミさま」と呼ばれる城の管理人の、狼の仮面を被って、ドレス姿の少女がいた。そして、、こころと、不登校だと思われる中学生の男女7人が、集められた世界があった。そしていくつかのルールと、
3月30日までに、「願いの鍵」を見つけた者が、何でも願いが叶えられるというミッションを与えられる。果たして鍵は見つかるのか?みんなは学校に通えるようになるのか…?
ミステリー要素もある、ファンタジー仕立てのなかで、中学生の不登校問題を切り込んでいく、ハラハラドキドキする、読みごたえのある作品だと思った。
細かい伏線がラストではきちんと回収されて心が、震えて、じわっとくるものも感じた。
ずっと苦しくて辛い、主人公こころの心理描写が多くて、とにかく切なかったー。
でもこころには、理解があって支えてくれる人達がたくさんいて、何より良かったと感じた。
いちばんは、なんと言ってもこころの母親。
戸惑いながらも、ちゃんと理解して寄り添ってあげられてとっても素晴らしい人だと思った。
「学校に行きなさい!!」って攻め立てたりしなくて本当に偉い。親としては距離が近いだけに、すごく対応が難しいと思った。こうあるべき…、にとらわれずに向き合えたのは、凄いと感じた。
フリースクールの、喜多嶋先生も、本当に気持ちのわかる立派な先生で、こういう先生がいてくれると幸運。
かがみの城の世界の、思春期特有の不器用で純粋な7人の仲間達は、ほんとうに心強い見方だった。
そして、こころの学校の賢い友達の、東条萌。
こころはみんなに支えられて、ほんとうに救われたんだなあと、しみじみ感じた。
友達の東条萌が言う、「たがが学校」という言葉。
こころにも刺さったと思ったけれど、私にもすごく響いた。
学校は、何がなんでも行かなければならない場所ではない!
―学校が、全てではない!―
なが~い人生のなかで、学生時代はほんの短い期間。それは、大人になったら、ほんとうに実感する事。
そして、私も、この本を読んでみて言いたくなった。
悩んでいる子供達、みんなに伝えたいこと。
一人で、自分だけで…、悩まないで!!
頑張りすぎずに、がんばれ~!
もう、頑張っているよね!!
だから…、絶対に、大丈夫だよ、って。
- 感想投稿日 : 2022年9月22日
- 読了日 : 2022年9月22日
- 本棚登録日 : 2022年9月22日
みんなの感想をみる