- Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591153321
作品紹介・あらすじ
2018年本屋大賞受賞作!そして2019年6月19日発売の『ウルトラジャンプ』7月号から、武富智さん作画でコミック連載スタート!
不登校の少女が鏡の向こうの世界で出会ったのは――生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。
あなたを、助けたい。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。
感想・レビュー・書評
-
人間の生態ってすごくてさ。
この作品に出会って、読んで、心からぶわっと、何かがあふれ出す、その瞬間を楽しみにしていた。
やっと読めた。
特に中盤以降、物語の展開とかがみの孤城の彼らへの思いが止まらなくなってしまって。
通勤電車の中で、寝る前のベッドの中で、浮き上がってくる鳥肌を抑えることが出来ずに夢中になって読んでいた。
それなのに。
人間て、眠くなるのね。
おかげで思っていたより、読了まで時間がかかってしまいました。
疲れたら「疲れた」って、身体はサインを出してくれる。
そう、それは、かがみの孤城の彼らも同じこと。彼らもきっと、サインを出していた。大人は、彼らの発する、そのサインに気付き、一緒に向き合ってあげないといけない。
辻村さんの作品は、「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」や「朝が来る」などの社会派よりの作品しか読んだことがなくて、彼女が得意とするSFやファンタジーの作品は、今まで触れてきたことがなかった。この作品は、学校に行けなくなってしまった主人公の女の子が、不思議な体験を通して現実とどう向き合っていくか、ということを描いた作品なのだけれど、その「不思議な体験」の中にSFやファンタジーといった要素が含まれていて、さらに「不登校」という現在の社会的な課題(という言い方がふさわしいかどうかはわからないけれど)に注目しているという点で、辻村作品の神髄ともいえるような作品なのかなと、そんな風に感じました。
少しばかり自分の話をすると。
以前、子どもの虐待対応の仕事をしていて、その時に学校へ行けなかった子ってたくさんいた。そこには少なからず虐待が関係していて、でも虐待が解決してじゃあその子がすぐ学校(もしくはそれに代替する場所)に行けるかと言われると、そんな簡単じゃない。そこで、学校と連携して、その子が学校へ行けるような支援を開始する。でも、虐待対応を本職としていると、それがなくなった時点で、その子とはもう関われなくなってしまう。一生懸命関係を築いても、学校へ引き継いで、わたしは新たな虐待対応をする。これは結構きつかった。関係を築いていく中で、学校へ行けなくても、「naonaonao16gとの面談は続けたい」、そんな風に言ってくれる子を、わたしは放っておけなかった。だから、転職した。虐待、とまでいかなくても、学校へ行けない、でもSOSは出している、そういう子を”継続的に”サポートするために。
今、わたしがしている仕事はざっくり言うと「不登校支援」というようなもので、全日制の高校とは違う選択をした子たちと関わっている。わたしは別に、学校は行っても行かなくてもいいと思っているけれど、彼らの居場所となるところがあればいいな、と思っている。勉強も絶対にしないといけないわけじゃないと思っているけれど、勉強はやれば力になるし、「できない」を「できる」にする、「できた」という自信をつけられるものだから、自信をつける一つの道具としてはとても有力なものだと思っている。その点で、学校の可能性ってまだまだあると思っている。
前職と、わたし自身が学校が大嫌いだったせいか、新しい子が入学してくるたびに、「この子に何があったんだろう」と思ってしまう。「何かがあったから学校へ行けない」と思ってしまう自分がいる。だけど、そうじゃない。選択の幅を広げたい子だっているし、海外の生活が長かった子もいるし、単純に「普通の高校が合わない」という子だっている。
わたしも、みんなが普通にしている「会社員」が合わなさすぎて、早くフリーランスとして自立したいものだと思っている。でもすぐにはできなくて、ずるがしこく、会社のいいとこだけつまみ食いして生きている。大人になれば、そういう選択肢を自分でとれる。でも、子どもの世界ってそうじゃない。「学校にいけない」ただそれだけで、世界からつまみ出されてしまったような感覚に陥る。ダメ人間の烙印を押されたような。でもそうじゃない。本当にそうじゃない。話を聴いて、「大丈夫」「一緒に考えよう」と伝える大人が近くにいるだけで、生きていけると思うんだ。うまくいかなくなったら戻れる居場所があること、相談できる大人がいること、たったそれだけ。それなのに、それって本当に、本っっっ当に大変なことなんだよな。だから、今目の前にいる、今関わっている子たちには、「困ったらいつでも戻ってきていいよ」「一緒に考えよう」と、伝えたい。
でも同時に。全員が何かに困っているわけじゃない。わたしの場合、それもひとつ、肝に銘じておかないと。
この作品では中学生が主人公で、その子が学校へ行けない、という視点から「生きづらさ」を描いている。でも、高校やその後の進路で、不登校とは別の形で「生きづらさ」って出てくることもあると思う。この作品全体の思いと、ちりばめられた言葉の数々を思うと、そんな時にも、助けになってくれる作品だと思います。大人も子どもも読みやすい筆致で描かれているので、主人公と同じ中学生のみならず、小学生だって読めると思う。さすが、本屋大賞受賞作品!!
生きている人みんなが、少しでも幸福な気持ちになれますように。 -
本屋で見かけても素通り、存在は知ってるけど素通り。そして古本屋でお安く見掛けたから のみの理由で手に取り、面白くなかったら友人に明け渡そう。とパラパラ〜と読み始める。気付けばあっという間に読み終えていた。「空き時間」なんてものは作ろうと思えばこんなにもある物なんだ。
500ページ越えのコチラの作品を休日を挟まず1.5日で読み終え、子供の様に夢中になっていた。
登場実物達の年齢やオオカミ少女や鏡の奥のお城の世界というファンシーな雰囲気、消してホラーではない優しいオカルトな要素は、まるで子供向けの書物かと思ってしまう設定と構築だ。
しかし、凝ったミステリの仕掛けは勿論の事、これは紛れもない「大人の為の児童書」だった。変な意味ではない。
当たり前の事だが、自分の周りの人間は文字通り他の人といった意味合いで他人だ。人生という物語の主人公は自分だろう。そして、自分がそうであるように他の人だってそうだ。
マサムネくんを借りよう、ゲームで例えるなら「自分が主人公のRPGなのに他のデータも同じフィールドに入って各々ストーリーを進めている状態」なのだと思う。これを 邪魔者や侵略者と感じるか、それとも人のストーリーを理解し、受け止め、共存して自身のストーリーをより良いものにしていくのか。
私は後者でありたいなぁ、喜多嶋先生の様に。
月並みな言葉ですが、こちらの作品に出逢った事によって心が温まり、優しい気持ちになりました。幸せです。 -
名作★5 悩める中学生達が、手を取り合って明るい未来を目指すファンタジーミステリー #かがみの孤城
■あらすじ
中学生である主人公こころは、学校の友人関係が原因で不登校に陥っていた。自宅に引きこもっていたある日、自室の大きな鏡から、光が放たれているのに気がつく。不思議に思い手を差し伸べてみると、そこには幻想的な世界が広がっており…
■きっと読みたくなるレビュー
面白い★5
超有名作なんですが実は積読してたんですよね。2022年12月23日から映画も公開されますし、年内に読んじゃおうと手に取った次第。
とにかくバランスが抜群で、ファンタジー小説として完成してます。できあがり商品。
構成、登場人物、世界観、扱うテーマ、心情描写、読みやすい文章、エンタメ具合、ミステリー要素などなど、もう全部完璧です。何も言うことがなく、未読で時間があるなら何も考えずに読もうよ、という作品。
特に中学生くらいであれば全然よめる文章なので、ぜひお子様にも楽しんで欲しいですね。
本作、登場人物が親近感があるキャラクターばかりで大好き。
私の中学生時代を思い出してみても、こんな奴いたかもな~と思い出しちゃう。
最も愛着があるのは、主人公こころ。
辛辣なシーンと不安描写を重ねて表現するのがお上手で、思春期の不安定な感情をよく描けてます。当事者じゃないと分からない「伝えたいけど言えない苦しみ」が、読み手の胸につき刺さってきました。
そして一番素敵なのは、やっぱり友人たちとの絆。
手を取り合って課題を解決していく姿、友人を助けるために団結する姿は、中学生を息子にもつ私にとっては号泣ですよ。はうう…
また本作は、舞台設定がめっちゃ綺麗なんです。
タイトルとおり「かがみの孤城」があまりにも素敵すぎて、もう住みたい!2年くらい住みたい!
私なら部屋にこもって本読んで、気が向いたら友達とお菓子を食べながら他愛もない話に花を咲かせたいですね~ あ、ゲームもいいな。何も考えず、友達とキャッキャ騒いでたいです。
しかしそんな自由な「かがみの孤城」ですが、どこか無機質、そして怖い設定… 読ませる仕掛けがプロの技でした。
そしてお得意のミステリー要素も効いていて、メイントリックから細かなところまで、伏線と仕掛けでいっぱいです。それほど深い謎ではなく概ね予想はつくのですが、綺麗に物語全体を包んでいて、こちらもバッチシ完璧ですね。
総じて誰しも楽しく読める、おすすめできるファンタジーミステリーでした。
■わたしの推しポイント
神楽坂に私がお気に入りにしているBarがあります。裏路地にひっそりと佇んでいて、正直お客さんも多くなく落ち着ける隠れ家的なお店です。
気のいいバーテンダーのお兄さんや、なんとなく顔見知りのお客さん、まったく初見のお客さんたちととりとめもない会話をしながら、素敵なほろ酔い時間を過ごしています。
いつもくだらない話ばかりですが、そこは会社の同僚、友人、家族には相談できないようなマジ悩みも吐露できる場所なんです。解決はしなくとも、深い関係性がないからこそ気兼ねなく、どんなしんどい相談でもできるんですよね。
そこはまさに私にとっての「かがみの孤城」
誰しも、どの世代も、君もあなたも現実は課題がいっぱいで「毎日、闘っている」。でも自分にとって幻想的な優しい空気に包まれた逃げ場所があると、明日からも頑張ろうと、きっかけと勇気をもらえるんですよね。
もし人生に行き詰ってしまっている人がいたら、自分にとっての「かがみの孤城」を見つけると、ふっと気分が楽になるでしょう。-
あきさん、おはようございます^_^
毎日のようにこの映画の番宣を目にしますね
私もずっーと読みたいと思いながら未読の本です
あきさんの...あきさん、おはようございます^_^
毎日のようにこの映画の番宣を目にしますね
私もずっーと読みたいと思いながら未読の本です
あきさんの感想が良すぎて、「読みたい」から「読まねば」に変わりましたよ!
神楽坂のお店の話、素敵です
大切な場所と時間ですね(*˘︶˘*)2022/12/23 -
akiさん、こんにちは〜
コメントでははじめましてです!
私もこの本は以前読んで号泣した経験ありです。うちはまだ小学校高学年ですが、これぐ...akiさん、こんにちは〜
コメントでははじめましてです!
私もこの本は以前読んで号泣した経験ありです。うちはまだ小学校高学年ですが、これぐらいの年齢の子供がいたら刺さりまくりますよね〜
「できあがり商品」になんか笑っちゃいました。たしかにこの作品はもう何ひとつ手を加える必要ないない!2022/12/23 -
そらさん、コメントありがとう!
心あたたまる素敵な本ですよ、ぜひお時間見つけて読んでみてください。
神楽坂のお店の話、いい大人に...そらさん、コメントありがとう!
心あたたまる素敵な本ですよ、ぜひお時間見つけて読んでみてください。
神楽坂のお店の話、いい大人になると表立った場面で泣き言は言えないので、自分の逃げ場所、心を安定させるところが欲しくなるんすよね~
もちもちさん
はじめまして、コメントありがとう~
ほんと、完全体の物語ですね。整いぶりがスゴイ。
私もかなりウルウルきました、最後のほうなんてマジ泣きですよ。
うちの息子に進めてみましたが、ふーんって感じでyoutubeのゲーム動画見てました…2022/12/23
-
-
ずっと読みたいと思っていた本。
素晴らしい本に巡り会えた、良かった。
今現在、学生さんだけではなく、親御さん方にも、ぜひとも読んでみてほしいと、思える本だった。
私はこういう本にすごく弱い。
子供が悩み苦しむ系…、に、すごく弱い。
読んでいて、辛いなあ、苦しいなあ、
あー、やるせない!!、ムカつく!等々、
本当に胸がぎゅっとなってしまって。
あるよね、こんなことって…すごく、わかるなあ、と思って辛くなった。
辻村深月さんの、リアルで、繊細な心理描写に、
ほんとに心をもっていかれてしまった。
主人公の、安西こころ(中1)は、入学してすぐに、クラスの中心人物、真田美織から、嫌がらせを受けて学校に行けなくなる。ある日、自分の部屋に閉じこもっていると、部屋の鏡が、まばゆい光を放っていることに気がつく。こころは恐る恐る鏡に手を触れると、見知らぬ城の異世界に、引き込まれてしまう。そこは、「オオカミさま」と呼ばれる城の管理人の、狼の仮面を被って、ドレス姿の少女がいた。そして、、こころと、不登校だと思われる中学生の男女7人が、集められた世界があった。そしていくつかのルールと、
3月30日までに、「願いの鍵」を見つけた者が、何でも願いが叶えられるというミッションを与えられる。果たして鍵は見つかるのか?みんなは学校に通えるようになるのか…?
ミステリー要素もある、ファンタジー仕立てのなかで、中学生の不登校問題を切り込んでいく、ハラハラドキドキする、読みごたえのある作品だと思った。
細かい伏線がラストではきちんと回収されて心が、震えて、じわっとくるものも感じた。
ずっと苦しくて辛い、主人公こころの心理描写が多くて、とにかく切なかったー。
でもこころには、理解があって支えてくれる人達がたくさんいて、何より良かったと感じた。
いちばんは、なんと言ってもこころの母親。
戸惑いながらも、ちゃんと理解して寄り添ってあげられてとっても素晴らしい人だと思った。
「学校に行きなさい!!」って攻め立てたりしなくて本当に偉い。親としては距離が近いだけに、すごく対応が難しいと思った。こうあるべき…、にとらわれずに向き合えたのは、凄いと感じた。
フリースクールの、喜多嶋先生も、本当に気持ちのわかる立派な先生で、こういう先生がいてくれると幸運。
かがみの城の世界の、思春期特有の不器用で純粋な7人の仲間達は、ほんとうに心強い見方だった。
そして、こころの学校の賢い友達の、東条萌。
こころはみんなに支えられて、ほんとうに救われたんだなあと、しみじみ感じた。
友達の東条萌が言う、「たがが学校」という言葉。
こころにも刺さったと思ったけれど、私にもすごく響いた。
学校は、何がなんでも行かなければならない場所ではない!
―学校が、全てではない!―
なが~い人生のなかで、学生時代はほんの短い期間。それは、大人になったら、ほんとうに実感する事。
そして、私も、この本を読んでみて言いたくなった。
悩んでいる子供達、みんなに伝えたいこと。
一人で、自分だけで…、悩まないで!!
頑張りすぎずに、がんばれ~!
もう、頑張っているよね!!
だから…、絶対に、大丈夫だよ、って。
-
チーニャさん、こんにちわぁ♪
文庫本で上巻読んだところなんですけど、
チーニャさんのレビュー拝見して
ぐぐぐって込みあげてきました...チーニャさん、こんにちわぁ♪
文庫本で上巻読んだところなんですけど、
チーニャさんのレビュー拝見して
ぐぐぐって込みあげてきました。('Д')
下巻よんだらまた来ますね。('◇')ゞ2023/11/11 -
しじみさん、こんばんは♪
今日は一日、お義姉さん達家族が
我が家に遊びに来ていたものですからコメント遅くなってしまいました…
この作品読ん...しじみさん、こんばんは♪
今日は一日、お義姉さん達家族が
我が家に遊びに来ていたものですからコメント遅くなってしまいました…
この作品読んだときの事、
そしていろんな想いを巡らせた事を思い出しましたよ〜
あ、もしかしてしじみさん今日も、山に登られたりしたのかもですね。お疲れ様でした…♡
2023/11/11 -
今日は、下巻読んでました(*≧∀≦*)
ドンドン花火のように打ち上げられる伏線回収が見事で
最後まで見蕩れてました。
今日は賑やかに過...今日は、下巻読んでました(*≧∀≦*)
ドンドン花火のように打ち上げられる伏線回収が見事で
最後まで見蕩れてました。
今日は賑やかに過ごされたようですね♪
お疲れさまでした。
チーニャさんはこの作品、去年の9月に出会ったんですね。
私は今日も、城に行ったらチーニャさんの鏡も輝いてたので
いらしてた気がしてとても嬉しかったです。d( ̄  ̄)
2023/11/11
-
-
◇◆━━━━━━━━━━━━
1.感想
━━━━━━━━━━━━◆
面白かったです。うん、評価高いのわかります。
もっとファンタジーな感じかと思っていたら、いじめ、不登校の問題がクローズアップされているお話しでした。ここでも、虐待問題とかでてきて、ほんと、多いんだろうな〜と、嫌になります。
読んでいて、「弱いな〜」というのが正直な感想でした。最近読んだお話の中では、最弱キャラの主人公だと思っていましたが、なかなかに、後半の展開がすごい。前半の気持ちが大きく揺らぐような感じでした。
ある程度の予測できる話でしたが、その辺もあえてわかるような流れにしていることが伝わってきて、完成度高いな〜と感じました。
後半は、ほんと、一気に吸い込まれていきますね。すごい作品でした。
人は誰しもが弱い部分を持っていて、「あなたもそんな弱い人間と変わらないよ」と、感じさせられる作品でした。そんな私たちでも大きく変わっていくことができると、希望をもらえる作品でした。
◇◆━━━━━━━━━━━━
2.あらすじ
━━━━━━━━━━━━◆
不登校の中学生6人と、ハワイに住む1人の中学生が、鏡を通して城に集められます。その謎に満ちた城の生活と、いじめに悩み学校に通えない生活が進む1年間の物語。
前半は、こころの弱い部分が続きますが、3分の2を過ぎたぐらいから、物語が大きく展開していきます。
◇◆━━━━━━━━━━━━
3.主な登場人物
━━━━━━━━━━━━◆
安西こころ 中1、女
井上晶子 アキ、中3、女
水森理音 リオン、中1、男、イケメン
長谷川風歌 フウカ、中2、女、眼鏡、高い声優声
政宗青澄 マサムネ、中2、男、ゲーム好き、眼鏡
長久昴 スバル、中3、男、ロン似、不思議な空気感
嬉野はるか ウレシノ、中1、男、小太り
オオカミ
水森実生
喜多島 -
2018年、本屋大賞受賞作
何年か前からファンタジー色が強そうで自分には会わないか?と思い読まないでいた本。
しかし自分の中で「本屋大賞受賞作品=話題作品」なのでやっぱり読んでみた。
中学生の不登校の子達の物語。
予想通りファンタジー感満載。しかし鏡の中の城内での会話がストーリー進行の為、世界観が強すぎず入り込み易く分かりやすい。しっかりと馴染めた。
この作品に名作感を感じるのはやはり年代の時代のギャップを感じさせつつも、やはりどの時代も中学生は中学生だなと思わせるところ。
どの時代でも幼さと弱さが残る、子供から大人になる手前の思春期は変わらない。
しっかりとした感情と思考が芽生え出して、失敗を繰り返す時期。そうして大人になる準備をしていく時期。不登校の中でもこの鏡の中で各々成長を手に入れていた。
アフターストーリーも垣間見れて凄くしっかりしたビジョンで想像する事ができる。
ストーリーも面白く、設定も面白かった。これは流石受賞作だと感じた。
-
-
>アンシロさん
コメントありがとうございます。読書いいですよね☺️月並みですが、趣味が読書といえる程度に本を読むようになってからの自分の方が...>アンシロさん
コメントありがとうございます。読書いいですよね☺️月並みですが、趣味が読書といえる程度に本を読むようになってからの自分の方が私は好きです。
沢山感想を書いていらっしゃるので、ぜひ新しい本を見つける参考にさせて下さいね✨
2023/11/16 -
a_miさん、コメント嬉しいです。ありがとうございます。
a_miさんはブクログで感想を書かれているものだけでも450件!!読まれている物...a_miさん、コメント嬉しいです。ありがとうございます。
a_miさんはブクログで感想を書かれているものだけでも450件!!読まれている物はきっとその何倍も…と思うとすごいなと尊敬します。
私も読書を始めて半年ですが充実感があって楽しみになっていて、自分の良い変化感じています(*^^*)好きな自分になれているって素敵ですね☆
こちらこそどうぞよろしくお願いします。2023/11/16
-
-
すごく、すごく良かった。
今まで読んだ辻村深月さんの作品の中で、一番好きです。
こころ、アキ、フウカ、リオン、ウレシノ、マサムネ、スバル、
そしてオオカミさま…
みんな、みんな愛おしくてたまらない。
この物語の主人公たちは中学生。
教室という小さな箱の中…
ひとりひとりはそうでもない。
ところが、グループになると言葉が通じない。
でも、たとえ大人になっても、いつの時代に生きていたとしてもそれは同じ。
どこに行っても、いいことばかりが待っているわけではない。
だけど今、自分が置かれているその場所だけが居場所ではなく、
それも長い人生の中の、たった一年なんだということ…
過ぎてしまえばわかることも、この時にはまだわからない。
闘わなくてもいいんだよ。それは逃げではないんだから。
そしてそれが容易くないことも、彼らはすでにわかっている。
”たかが学校”
そう思うことで、それを心のよりどころにして頑張っていけるのかもしれない。
もう十分頑張っている人に、軽々しく頑張ってと言ってはいけないらしい。
でもね、やっぱり言いたい。
自分をわかってくれるひとは、必ずどこかにいる。
言葉の通じるひとはいる。
だから頑張れ!
記憶は消えても、それぞれの場所で、みんな頑張っているよ。
きっとまた会えるよ!
最後に明らかになる、かがみの部屋の謎…
エラそうなオオカミさまが、どこかさみしそうで、ずっと気になっていた。
ひとりぼっちになってしまうのかな?
オオカミさまの正体が、そうだったらいいなと思っていた。
願い、かなったね…良かった。本当に。
読み終えた今、
鏡の向こうから、ひょっこり顔を出している表紙のオオカミさまが、
私にはにっこり笑っているように見える。-
初めまして、うさこさんのレビューでこの本読みたいと思いました。読んでみたら大きな感動を得ることが出来ました。まだ子供だった頃どうしても人と馴...初めまして、うさこさんのレビューでこの本読みたいと思いました。読んでみたら大きな感動を得ることが出来ました。まだ子供だった頃どうしても人と馴染めなかった自分を抱きしめてやりたいような気持になりました。ありがとうございました。2018/04/15
-
こんばんは!杜のうさこさん!
本当にいつも感心してしまうレビュー。そして好みがかなり近くて、これからも近くにいたいと思うのでフォローさせて...こんばんは!杜のうさこさん!
本当にいつも感心してしまうレビュー。そして好みがかなり近くて、これからも近くにいたいと思うのでフォローさせてください!2018/06/06 -
ひとしさん、こんばんは~♪
フォロー、ありがとうございました!
私の感情の抑えがきかないレビュー(笑)に、温かいお言葉をありがとうご...ひとしさん、こんばんは~♪
フォロー、ありがとうございました!
私の感情の抑えがきかないレビュー(笑)に、温かいお言葉をありがとうございます!
木に登ってしまいます(#^^#)
私も先日、初めましての時に本棚を拝見した時に、好みが似ていて嬉しくなりました♪
これからもよろしくお願いいたします!2018/06/08
-
-
それぞれの事情で心に傷を負った7人の中学生。
行き場所を失くした彼女らに突如現れた鏡の中の世界。
現代と幻想の世界を行き来しながら物語は進んでいく。
少し心が痛むも温まるファンタジー。
それぞれこの不思議な世界に呼ばれた理由。それぞれ抱える痛み。
そして7人の真相。驚かされました。
終盤の物語もまた心温まりますね。
同じ年代の若い人たちはもちろん。
僕のようなおじさんと呼ばれる世代にも心打たれる作品でした。 -
リアルな現実とファンタジー、この線引き感があまりに絶妙だと思いました。
不登校という言葉を聞くと、私には中学時代のことが思い出されます。クラスの中で一人1学期の途中から急に来なくなった彼がいました。いじめがあったような認識もなく担任も周囲もただただ疑問でした。小学校時代一緒に遊んだことも多かったこと、そして、クラス委員だった私はその責任感から毎朝彼の家に立ち寄って一緒に行こうと呼びかけるのが日課になりました。でも彼は顔を見せることもなく...。そんな日が続くなかで、彼のお母さんに家の中に入れてもらえるよう頼んで彼の部屋に行き、強引にひっぱって部屋から出そうとしました。行きたくないと泣き叫ぶ彼、強引に連れて行こうとする私、いたたまれなくなった彼の母親が涙してやめてくれと叫んで頭が真っ白になったのを覚えています。今思えばクラス委員としての正義感というより、先生でもどうすることもできずにいる彼を学校に出てこさせることで自身が満足しようとした偽善行為だったのかも、今も時々そのことに苛まれることがあります。今作の伊田先生という人が実際にどうだったのかは分かりませんが、こころから見た伊田先生と同じように見えた行為を当時の私は行っていたのかもしれません。クラス委員としての仕事をしているだけ。仕事で成果を出して褒められたいと思う自分。そのためだけに。
中学時代はとても不安定です。何をするにも周囲のことがとても気になる時代、グループ、派閥のようなものができはじめるのは、人間社会の性かもしれませんが、そんな壁が築かれ出すのがこの年齢。そのことの是非も分からないし、成長の度合いによってそんなことについていけない人がでてもおかしくならない年齢。壁の外に置いてけぼりになるのがとても怖くて自身が考える価値観よりも壁の内側に入ることを優先して考えてしまう。壁がしっかりしたものか確かめるためにわざわざ外の人を作ってしまう。無理に理由を作って閉じこもってしまう。この作品でも学校を休みはじめて壁の内と外の概念の外にでてしまったこころの代わりに東条さんが壁の外に押しやられてしまいます。壁の強固さを確認しあう犠牲として。一方で自分から勝手に壁を作って中に閉じこもってしまう人も出てきます。
ガラスの中の世界も決して波一つない穏やかな海ではないところが、現実感を感じさせます。壁の外に押しやられたものが集まっても、やはりそこは人間世界。お互いの感情の探り合い、仲良くなっても自身が発する言葉にいつもビクビクして、発した言葉にいつまでも後悔を引きずってしまう。穏やかな日々になったと思ってもなりきれない世界。それが現実だから。
辻村さんの作品を読むのは初めてでしたが、こんなに感情を揺さぶられるのかと途中で怖くなる瞬間がたびたび訪れました。前半部分のこころの不登校に関して、リアルなあまりにリアルな表現の数々はとても辛かったです。また、特に最後の場面で彼らの境遇の全体像が見えると、私の想像力を超えるくらいあまりに幅広い、しかも現実感のある不登校に至った状況が見えてくると、それぞれの境遇に胸が締め付けられ、途中で読むのを中断する場面も多々ありました。自身の過去と照らし合わせ、共感する部分がある一方で、そんな見方があったのかと考え込む場面も多々ありました。
実は前記した彼は私の気持ちが通じたのか、再び学校に来るようになりました。物凄い勇気を出したんだなとこの作品を読んで改めて思いました。そして、また休み出したりしないように彼を見守る日々を送りました。しかし、そうは単純ではありませんでした。突如またブツッと彼は来なくなってしまいました。ある件でもめ事が起こった翌日から。そして、その時私は彼と反対側に立ってしまいました。彼を否定する側に。結果、彼が再び来なくなっても私が彼を迎えに行くことはできなくなり、結局彼は二度と学校に来ることなく卒業、その後会うこともなく今日に至っています。不登校という字を見るだけでいつまで経っても思い出すとても苦い記憶です。
本当に色んな要素がたくさん詰まった作品でした。最後の最後まで丁寧に幕引きをしようとする作りにも心ひかれましたが、特にプロローグとエピローグの余韻はとびぬけていて、この箇所だけすぐに読み返してしまいました。
大人社会は大人社会で辛いものです。派閥という壁に囲まれた会社組織の中で如何に生き抜くかを考えていく中で、相手を出し抜こうとする人、いろんな人が出てきます。逃げ出したくなることも度々。しかし、あの時代、あの中学時代に戻りたいか、もしくは生まれ変わって今の中学生になるかと言われると怖いです。自信がないです。びくびくおどおどしていた時代、過去の自分は生き抜いたけど、もう一度となると自信はない。何が原因で崩れ落ちるかわからないから。何だか読んでいる時、そして読み終わってからも色んなことが頭の中をぐるぐるとまわって、なかなか寝付けない自分がいます。
久しぶりに心の深いところが動いたのを感じた作品でした。
著者プロフィール
辻村深月の作品






この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。






有意義な読書をしてますね。
また、折に触れて、拝見させてください。
また、よろしくお願いします。
有意義な読書をしてますね。
また、折に触れて、拝見させてください。
また、よろしくお願いします。
学校は学ぶところですが、感覚的には人間関係が大きいですよね。本当に話してみたい子とはなかなか話せなかったですし...
学校は学ぶところですが、感覚的には人間関係が大きいですよね。本当に話してみたい子とはなかなか話せなかったですし、グループというのがあんまり好きではなかったです。
辛さのわかるきたじま先生のような接し方までを学校の先生に求めるのは酷なのかな。。
こんにちは^^
コメントありがとうございます!
わたしも、学校での思い出といえば行事や学習ではなく、人間関係の...
こんにちは^^
コメントありがとうございます!
わたしも、学校での思い出といえば行事や学習ではなく、人間関係の苦いものの方が多いです…
グループ、わたしもあれは本当に嫌でした。時折あった「好きな人同士」みたいな区分け、死ぬほど嫌でしたね。取り残されるタイプだったので。
決して悪い先生ばかりではないんですけどね…多忙を極めて余裕がないんだろうなと、そんな風に捉えています。
そもそも一人で多くの生徒を担当する、というのがもう、社会と合っていないのかもしれないですよね。