読み始め、中盤、そして終盤と全く違った様相を見せ、読者を良い意味で意味裏切り、独特の世界へ引きずり込んでいく。
子供を自分の過失で死なせてしまったと思い、その思いで前に進めない主人公が登場する。重苦しい感覚で小説は始まるが、そこにとどまらない。それぞれどこか抜けている多様な登場人物たちの喜劇に転じたと思いきや、殺人事件というミステリーに変化していく。読者を飽きさせず、しかしそれは支離滅裂な展開ではなく、読者を納得させる終盤を迎えることになる。
いろいろな現実にはあり得ない出来事を経験や同居をしている姪を通して、主人公は重く苦しい過去の出来事から再生し、新たな一歩を踏み出していく。軽やかでスピード感のあるストーリー展開で、爽やかな読後感を残してくれる作品だ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月11日
- 読了日 : 2017年11月11日
- 本棚登録日 : 2017年11月11日
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