一杯のおいしい紅茶-ジョージ・オーウェルのエッセイ (中公文庫 オ 3-1)

  • 中央公論新社 (2020年8月21日発売)
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本棚登録 : 512
感想 : 24

2023.2.14市立図書館
図書館の「紅茶とコーヒーに関する本」の特設コーナーでふと手にとった。何年か前に新聞の読書面でみつけた紹介記事を切り抜いて読んだことがある気がする。しかも文庫化に当たり「『動物農場』ウクライナ版への序文」が収録されているとある。2020年夏といえば、クリミアですでに揉めてはいたが、まだロシアが攻め入る前だけれど、どうして1947年に書かれたその文章が文庫化するときにあえて収められたのだろう? それで気になって借りた。

「動物農場」と「1984年」で名高いオーウェルのB面、エッセイを集めた本。そのオーウェルが第二次大戦後まもなく50年も生きないうちに亡くなっていたとは。

それはともかく、エッセイは創作とはうってかわって、個人のこだわりをユーモラスに開陳して気楽に読ませる文章でおもしろい。後半の文学に関する文章も、よみながらあれこれ考えさせられた。

最後に収録されたウクライナ版「動物農場」への序文は、手際よい自己紹介とこの物語を書いた経緯が説明されており、当時ソ連邦下にあったウクライナの人々は「動物農場」を読みながらなにを思ったのだろうと考えるよすがになった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2023年2月16日
読了日 : 2023年2月24日
本棚登録日 : 2023年2月16日

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