負け犬の遠吠え (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2006年10月14日発売)
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本棚登録 : 1114
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エッセイストの著者が、30代、独身、子なしの女性を負け犬と定義して、なぜ彼女達は負けてしまったのか説いている一冊。
賛否両論あると思うが、負け犬達は、好奇心旺盛で純粋であることが特徴というのは激しく同意する。

36歳まで負け犬だった私も、とにかく好奇心旺盛。20代の頃はもっと沢山の経験を積みたかったため、結婚なんて人生の墓場だと思ってきた。
そして、純粋という部分は、好きな人とじゃないと結婚しないと決めて、婚期を逃すパターンだと思う。
20代後半で結婚していく勝ち犬達は、好きとか恋愛は置いておいて条件だけで結婚していく人もいる。
負け犬にとって、それは許しがたい行為。

どんなに美人で仕事ができる女性でも、未婚なら負け犬と定義してしまうこの本は、乱暴な印象を与えるが、読んでみるとそんなことはない。
著者自身が負け犬なので、負け犬達への愛を感じる。

林真理子さんが指摘するとおり、著者が想定している負け犬とは、都会でバリバリ働く美しい女性のこと。
そして、勝ち犬とは都内で暮らすシロガネーゼ的な金持ち美人専業主婦マダムである。
残念ながら、ママチャリで髪を振り乱している、生活にいっぱいいっぱいの主婦は、勝ち犬とは言わないのである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月4日
読了日 : 2022年7月30日
本棚登録日 : 2022年7月30日

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