閔妃(ミンビ)暗殺―朝鮮王朝末期の国母 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1993年7月29日発売)
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感想 : 16
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日本と朝鮮の関係、その歴史は古く複雑に絡み合い血筋も混じっていると言う。
教科書では一行で終わる事件、その背景を知りたくて読むことにしたが、事件への興味と同じくらい角田房子さんという著者の聡明さに惹かれる。

言い方が悪い所もあると思うけれど…
朝鮮は衣食住に於いて現代とは思えない自然と共存した暮らしであったと言う。
それは李王朝が支配して労働は悪のように考える風潮があったから。国民そして奴隷という人たちには過酷な人生だったと想像する。
平然と行われる収賄、正義なんてお金で買える、それは今の韓国や北朝鮮の人にも深く根強く残っているのではないか。
とは言え隣国でありお互い助け合うことも出来たはず、何故これまで拗れることになってしまったのか悲しみに耐えない。

話は閔妃に戻る、公然と地位名誉が一夜に変わる時代、運命によって担ぎ出された王の妃と言う立花。
沢山の女性の中の1人からトップに立つまで、立ってからもあり続けることに執着した心は幾許か。
中国無くして朝鮮はない、宗主国だと公然と言う王室の他力本願的考え。
それが中国だ、いや日本だ、えードイツ、あアメリカ……
ダメだやっぱりロシアだ!と寝返りを打ち続ける事が
事態を招いたように読んだ。
相当な努力家で頭も良かったのだろう。そのMP別に使えば国は滅びず平和に豊かになっただろうに。
そして韓国と北朝鮮と二分することもなかったのかもと思えてならない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月2日
読了日 : 2022年1月2日
本棚登録日 : 2021年12月11日

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