魔術の帝国 上: ルドルフ二世とその世界 (ちくま学芸文庫 エ 10-1)

  • 筑摩書房 (2006年1月1日発売)
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【最終レビュー】

〈2018年1月~3月中旬(情報源=公式サイト内・イベントより)〉

『神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展』音声ガイドナレーター

Bunkamura ザ・ミュージアム

*公式サイト

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_rudolf/

*公式サイト:ナレーター決定詳細

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_rudolf/topics/guide.html

図書館貸出。

前作:『ツタンカーメン少年王の謎』の内容の中でも

〈大英博物館・ルーブル美術館等々…〉

欧米との繋がりが顕著に現れていたこと。

この展覧会に関する舞台ともリンクしてると率直に感じたので、この流れのまま、テーマに沿った内容を通して、私的にセレクトしたこの著書。

*序章

*Ⅰ:ハプスブルク家、ボヘミア、そして帝国

*Ⅱ:ルドルフと政治

*Ⅲ:ルドルフと宗教

*Ⅳ:ハプスブルク家、ボヘミア、そして人文主義文化

*原註(解説)

ルドルフ二世を取り囲むあらゆる世界観

〈一家の構図・迷走する『国を取り巻く環境・政治』〉

〈数多くの知的高い『宗教家・知識人・あらゆるジャンルで長けている「文化人」』等〉

を軸に

この当時の欧米社会の流れの錯綜を踏まえながら

ルドルフ二世本人が置かれていた

〈目まぐるしく変化する心理状態・文化面における究極に究極を極めた深淵な敬愛ぶり〉

大筋でまとめるなら、こういった感じです。

分かりづらいところもあったので、原註を時折照らし合わせつつ…

ただ、著名な人物・見知っているキーワードが時折登場したりと、その点においては、幾分救われたところもありました。

[シェークスピア]

[エリザベス女王]

[図像表現=谷瑞恵さん著:異人館画廊シリーズでの母体となるテーマ]

[モンテーニュ]

[ルネサンス]

[ある方のモットー=急がば回れ]

[不動心]

[哲学者]

[象形文字]

[歴史編纂]

[印刷業]

[アカデミー精神]

といった感じで、政治・宗教を除けば、それ程堅苦しくはなく

作風の雰囲気に、ゆっくり、緩やかに馴染んでいけた感覚。

知性に長けた女性も何人か紹介されていて、素敵な内面を懐に持っているなとも感じたりと…

やはり、私的に一番に印象深かったのは

〈文芸面全般を通しての知性・理性・博識といったあらゆる視点〉

で捉えているところ。

大英博物館・ウイーンといったテレビ等で見知った場所もあり…

ささやかな冒険心での

『文芸面を巡る旅気分』といった感じでした。

後半部、より深く

文芸面=展覧会の雰囲気に踏み込んでいくので、この続きは下巻にて…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 安田顕さん関連(TEAM NACS含む)
感想投稿日 : 2017年11月16日
読了日 : 2017年11月26日
本棚登録日 : 2017年11月16日

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