「西洋美術は見るものではなく読むものだ」という一貫した主張の下に解説される西洋美術指南書。
西洋美術史については、「美術史」としての様式の変遷や、美術を鑑賞する上での基礎知識となる聖書やギリシャ神話の解説、またアトリビュートを紹介している本は沢山ある。けれど、「美術史」よりもっと大きな枠組みである「西洋史」そのものをしっかりと見据えて西洋美術を解説している本はなかなか珍しいのではないかと思う。
例えば、なぜオランダでは静物画や小さい絵画が多く出回ったのかも、絵画様式の発展だけでなく、西洋史全体の中で語らないとちゃんとした説明ができない。
そういう点で、美術史の入門書はそれなりに(って言っても10冊程度だけど)読んでいる私にとっても目から鱗が落ちる思いの一冊でした。
今、誰かに西洋美術史の入門書を一冊薦めるとしたら、間違いなく本書を選びます。
ただ問題は文庫本だから挿入されている絵が恐ろしく小さいこと。副教材?としてGoogle画像検索は必携(笑)。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年10月18日
- 読了日 : 2011年9月21日
- 本棚登録日 : 2011年9月22日
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