幼い頃に読んで激しく衝撃を受けた記憶が強烈に残っている。
親の言うことを一切聞かない主人公が、「いやいやえん」という特別な保育園に連れていかれるが、そこは自分以上にわがままな子たちであふれたカオスであり、散々な目に遭うといった話だったように記憶している。
幼稚園初日、お遊戯させられるのが馬鹿馬鹿しくなり、両親を残して勝手に一人自宅に帰り、不在に気づいた親が園内を散々探して自宅に電話したら、澄まして「お父さんとお母さんは出かけています」と電話に出てのたまったという私は、未就学児の頃に読んだこの本が、怖くて怖くて仕方なかった。何度も夢でうなされた。
今にして思えば、当時の不遜なわたしは、どこかで主人公と自分を同一視して物語に入り込んでいたのだろう。
そして、子どもだからと調子に乗っていると、いつか考えることもできないほど怖いことが突きつけられるのだ、大人の一切手加減容赦のない仕打ちは本当に恐ろしいのだ、と心の深いところに埋め込まれた気がする。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
1️⃣文学
- 感想投稿日 : 2023年12月6日
- 読了日 : 2001年4月1日
- 本棚登録日 : 2023年12月6日
みんなの感想をみる