資本主義から市民主義へ (ちくま学芸文庫 イ 1-5)

  • 筑摩書房 (2014年4月9日発売)
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感想 : 11
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こういうバリバリ経済学者の経済の本はほとんど読んだことがなかったし、難しいところも多くてよくわかってない部分も沢山ある。それでも、何か知的興奮があったし、「もっと知りたい」という思いにさせられた。
経済って、もっと血が通ってなくてお金のことばっか考えてるんじゃないの?という私の経済学に対する幼稚なイメージをいい意味でぶっ飛ばしてくれた。
経済を考えてると、そんな哲学的問題に行き着くの?!法人の存在の仕方は人間存在の仕方とニアリーイコール?!「信託」の始まりはなんと修道院にあった?!経済の話とカントヘーゲルロールズアリストテレスってそんなに関係あるの!?…等々、新鮮な驚きのオンパレード。
岩井克人の主張は、反マルクス、反マイケル・サンデル、、、ふつうにこれだけ聞くと「なんてリベラルじゃない奴だ!」と思いきや、彼からはそういう匂いはあんまりしない。むしろ反株主主権論、挙げ句の果てには「資本主義は核に倫理性を必要とする」とか言ってる。はてさて、彼は一体何を言いたいのだろう。興味深い。私に新しい考え方を教えてくれそうなきがする。彼の他の著作も読んでいきたい。

・自己循環論法(存在の無根拠性)
・言語・法・貨幣(社会的実体のみ持つ)
・資本主義の本質(差異が利潤を生み出す。それ以上でも以下でもない)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年8月24日
読了日 : 2019年8月24日
本棚登録日 : 2019年8月24日

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