慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2011年6月26日発売)
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感想 : 17
4

あぁ、なんで日清戦争前夜までなのだろう。旋毛曲りの7人の、それぞれの
終焉までを描いて欲しかった。

でも、明治35年に最初に世を去った子規から、昭和30年まで長生きした
外骨までを描いたら、怖ろしい巻数になりそうだけれど。笑。

明治時代と言えば遠い昔なのだが、そんなことを感じさせないくらいに
7人の生きた世相を描いた本書は読み終わるのが惜しいくらいに面白い。

7者7様、時にその道は交わり、時にすれ違い、時に離れ。近代日本の
夜明けの時代の青春がぎゅっと詰まっている。

ただし、明治文学の基礎知識がないと混乱するかも知れぬ。ある程度、
7人それぞれの来歴を知ってから読むのがいい。

今では高層マンションが建つ東京・石川島もこの頃は監獄だったんだよ
なぁ。外骨先生、収監されても監獄で本を出版しようとしているし。笑。

また、7人を取り巻く人々も、坪内逍遥、二葉亭四迷、淡島寒月、森鴎外、
泉鏡花等々、オールスター揃い踏みだ。

尚、漱石書簡集でも読んだが、漱石が親友・子規に宛てた手紙が大好きだ。
その子規が亡くなった時、漱石はロンドンにいたんだよなぁ。しみじみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 明治・大正
感想投稿日 : 2012年2月3日
読了日 : 2012年2月3日
本棚登録日 : 2012年2月3日

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