医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法

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  • アスコム (2012年12月13日発売)
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医療についてある程度知っていれば,見るのも嫌になるような内容です・・・
「曖昧」かつ「過激」な表現で,いやらしく嘘はついていない部分があり,また正しい部分,真理の部分もある.しかし癌に関してはまるで話にならない.

 少なくとも以下の部分は正しくないので,何らかの訂正が必要だと思うが,だれも面倒だし反撃などのリスクを背負うのでそんなことはしないだろう.
 
この人の誤解の一つは,がんは本当はがんではない「がんもどき」と,すでに他の臓器に転移している「本当のがん」しかないと思い込んでいるところである.なので肝心なところで話が噛み合わない.

 もう一つ気づいた点は,対談やブログを見てみると文献を読み込んでいるということと,おそらくは相当弁が立つこと.対談では相手の何倍もの文章を話している.この本の内容はかなり「穴」があるお粗末な内容であり,結局は理解力に乏しい一般人に向けたセンセーショナルな内容にしたのだろう.

* メスでお腹を切って(中略),正常細胞のバリア−が崩れたところには,癌細胞がスッと入り込んで増殖しやすいんです.
* がんの初期診断の誤診率はときに12%にもなる(Cancer 2005年より)←原文を読んでみたが,これは合っていた
* 放射線をかけたり,局所を手術すると治って,転移が出てこないものがある.これも「がんもどき」です.
* 「癌でなくなる人は減っているのか」(中略)健診が,何の役にも立っていないからです.
* 健診を受けると不要な治療をされて,手術の後遺症,抗がん剤の副作用,精神的なストレスなどで早死する人が多くなる,と考えられます.
* もともと切りたくて外科医になった人たちですし
* がんは切除できても,術後の障害で死亡するリスクが非常に高い
* 患者さんが手術の直後に亡くなることはとても多いのに,裁判で争われることがとても少ない
* 「日本人のがん死亡の3.2%は医療被曝が原因」
* 欧米ではがんとみなされない病変の8〜9割が,日本ではがんにされています
* 本物のがんなら,検診で発見できる大きさになるずっと前かに,死亡の原因になる転移が成立しています
* どの病院の外科でも,手術で乳房を全部切り取られる可能性が高いんです

これらは全く事実に基づいていない,作者の「妄想」ですが,現場を知らない人がなぜこんなことを恥ずかしげもなく堂々と書いているのか,理解に苦しみます...

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月31日
読了日 : 2019年12月31日
本棚登録日 : 2019年12月31日

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