エルサレムの20世紀

  • 草思社 (1998年9月1日発売)
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1942年11月末には、ユダヤ人がガス室で殺されたというニュースを含む、ナチスによるホロコーストの恐ろしい話もいくつか伝わってきた。これはパレスチナに住むドイツ人との交換で戻ってきた60人のユダヤ人から聞いたものである。トルコ経由の鉄道でパレスチナに辿りついた彼らは、最初ポーランドにいるところをナチスに占領された。ユダヤ人の閣僚も2人いた当時のロンドンのポーランド亡命政権は、ドイツ占領したのポーランドから苦心して脱出した急使ヤン・カルスキの情報をもとに、ドイツ軍の残虐行為に関する報告書を公にした。「パレスチナポスト」紙は1942年11月25日付で、その詳細を「ポーランドのユダヤ人の大虐殺」という見出しで掲載した。2日後、「ユダヤ機関」は11月29日から断食明けの12月2日までの3日間、公式に喪に服すると発表した。12月2日の昼から深夜まで、エルサレムのユダヤ人商店や記者は全て休業した。コンサート、カフェやレストランのダンスパーティ、映画上映なども全部中止された。嘆きの壁では、著名なラビたちが荷運び人や職工らと肩を並べて、ヨーロッパのユダヤ人に代わって代禱の詩編の言葉を唱えた 。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ユダヤ
感想投稿日 : 2016年1月23日
読了日 : 2016年1月23日
本棚登録日 : 2016年1月23日

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