昭和史講義3: リーダーを通して見る戦争への道 (ちくま新書 1266)

著者 :
制作 : 筒井清忠 
  • 筑摩書房 (2017年7月5日発売)
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本棚登録 : 129
感想 : 10

 15人の人物伝。田中義一とか松岡洋右とか東条英機のように一般にあまり良いイメージのない人物がなぜそうなのかに興味を引かれる。人格的に悪人だったとか、そんな単純なものではないことが分かる。強硬と見られがちな田中外交は実は列強や中国との協調を意識したものだったし、松岡は陸海軍の分裂を利用して牽制していたが最後には失敗した。戦時中の東条の天皇への心理的依存からは弱さすら感じられる。
 他方、良いイメージのある人物でも、たとえば宇垣一成の軍縮は彼自身又は陸軍の利益に合致していたからとあるように、単なる善人では片付けられない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本
感想投稿日 : 2019年1月3日
読了日 : 2019年1月3日
本棚登録日 : 2019年1月3日

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