さよなら渓谷 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年11月29日発売)
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本棚登録 : 2932
感想 : 336
5

途中までなかなか入り込めませんでした。
大体のオチも途中で読めてました。
それでも私はこの作品が大好きになりました。
映画やドラマと違って登場人物の心情や些細な挙動、心の動きが言葉になっているのが小説にしかない面白さだと私は考えています。
この小説は誰もがビックリするようなことは起こりませんし、登場人物もそこらへんにいそうな人ばかり出てきます。
日常にいそうな人たちの少しのボタンのかけ違いを、登場人物が最後までブレないまま私の期待を軽く上回ってきました。
例えるならば、白米だとわかっていて白米を食べたのに思っていたのの二段階くらい美味しくて自分のごはんの概念が変わった時のような感覚です。
これこそが小説の面白さだったよなあと久しぶりに感じました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年8月15日
読了日 : 2019年8月14日
本棚登録日 : 2019年8月14日

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