ドラッカー名著集1 経営者の条件

  • ダイヤモンド社 (2006年11月10日発売)
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感想 : 221
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12作品からなるドラッカー・エターナルコレクションの1冊目を飾る本書。本の装丁も素敵です。

「経営者の条件」という邦題ですが、経営者でも何でもない私でものですが、いちいちうならされ納得させられます。いわゆる"腹に落ちる"というやつですね。
原題は、"The Effective Executive"。"Effective"は"成果をあげる"と訳されていますので、そのままだと「成果をあげる経営者」。第1章の最初の文は、"To be effective is the job of the executive."ですので、成果をあげることこそが経営者の条件ということ言うことができるのでしょう。もちろんいわゆる経営者だけでなく、組織で働く知識労働者すべてが成果をあげることを求められていますので、この本の内容は自らをマネジメントしようとする人すべてに役に立つものと思います。決められたものごとを正しく行う(Do the things right)能力よりも、なすべき正しいことを行う(Do the right things done)能力が求められており、その能力を身に付ける必要があるというこことですね。

ドラッカーさんの本をいくつか読んだことがある人なら、章のタイトルを追うだけでもその内容について何となく記憶がよみがえるところがあるのではないでしょうか。第1章の最後に成果をあげるために身に付けておくべき習慣的能力として5つほどあげられていますが、これがこの本の骨子にもなっています。

[時間] 何に時間を取られているかを知る
[貢献] 外の世界に対する貢献に焦点を合わせる
[強み] 強みを基盤にする
[優先] 優先順位を決める
[決定] 意思決定を行う

そして何より重要なことは、これらのことは修得でき、成果をあげるためには天賦の才能は必要ではないということです。がんばらねばと思います。

原書のタイトルとともに目次を見ると次の通りです。何かいいですね。

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序章 成果をあげるには
第1章 成果をあげる能力は修得できる (Effectiveness Can Be Learned)
第2章 汝の時間を知れ (Know Thy Time)
第3章 どのような貢献ができるか (What Can I Contribute?)
第4章 人の強みを生かす (Making Strength Productive)
第5章 最も重要なことに集中せよ (First Things First))
第6章 意思決定とは何か (The Elements of Decision-making)
第7章 成果をあげる意思決定とは (Effective Decisions)
終章 成果をあげる能力を修得せよ (Effectiveness Must Be Learned)
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また何度か読み返すことがあるかもしれません。星5つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2009年12月26日
読了日 : 2006年12月26日
本棚登録日 : 2006年12月26日

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