中編小説、といえるこの親しみやすいうすさのおかげもあり、ひさびさに1日でまるごと一冊読み終えました。
クンデラの小説、似たような題名だったりどれも抽象的なことばの題名なので、なにを読んでなにを読んでいないのかがよくわからない。しかも内容もけっこう似通っていて、カートヴォネガットの小説群みたいに、読み返してみてなおよくわからない笑
これは初めて読みました!いつものごとく、最初に言葉のほうの定義があり(緩やかさ、とは)、それからそれを説明するように(実際はお話が先にあり、言葉はまとめ上げるようなものであるけれど)お話がつづく。今回読んでみて、クンデラは絶対評論を書くのがうまいだろうな!と思った。この人は章を細かく区切って、一見関連性がないような話たちをうまくまとめるのが上手なんだけど、その手腕はきっと論文を書くときに大いに役立つだろう。小説のスタイルそのものが、論文的(形式がしっかりしている点において)といっても差し支えない。
それでも、この人は小説家である。一人称と三人称がまじる文章は『不滅』でも用いられていたが、あの小説と同様に、一人称の「自分」が夢想した内容が、三人称の内容となってあらわれる。しかしそれらの境界線は曖昧で、一人称の場面で、三人称の内容が及ぼす影響があらわたりする。(妻の夢にあらわれたり)こういうのは不思議な感覚だけど、(現代の何かの小説で見たことあるような)おもしろかった!
一物くんがしゃべりはじめるのが一番おもしろい笑 カートヴォネガットと似たものを感じました笑 よく考えたら似てるかもね、ユダヤ的なアイロニーと東欧的なユーモア(?)は似てるのかも!!!
- 感想投稿日 : 2020年2月28日
- 読了日 : 2020年2月25日
- 本棚登録日 : 2020年2月25日
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