妻の部屋 遺作十二篇 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2005年10月7日発売)
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感想 : 2
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また、久しぶりに読了した。もっと本を読みたいのにね。何はともあれ。
先生から教わった古山高麗雄。先生は、学生時代に文藝誌を読んでいて、たまたまこの人の作品に目を留めたらしい。
その後、レジュメで物皆物申し候を貰って読んだ。自分でプレオー∞の夜明けを買って読んだ。安岡章太郎の悪い仲間だと教えて貰って、心躍った覚えがある。
悪い仲間当時の交友を語る前半の作品が好きだった。特に「来し方ばかり」では、古山の友人と戦前の僅かな時期に恋仲だった女性を語り手にして当時を語る。これが良かった。その後長年連れ添った夫よりも、古山さんが定期的に友人の話をするたびに当時の思いや見ていた景色を思い出す。

晩年の妻との話、戦時中の話と、古山の様々な側面を知れる良い一冊だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年12月27日
読了日 : 2023年12月27日
本棚登録日 : 2021年5月5日

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