バレー部のキャプテンの桐島という男子が部活を辞めることになったらしい。
本作はその周辺の人物たちの群像劇で、彼らの目から見た高校生活は、2000年代前半~中ごろにかけての空気感をリアルに映している。
スクールカースト上位の「桐島」からは遠い位置にいる人物(映画部の男の子。彼らの体育のエピソードや、女子から笑われるくだりは、胸がギュッと縮むように痛くなる)の視点で描かれるパートでは、「桐島」が部活を辞めたこととはまったく関係のない話が続くが、実は彼らが映画という夢を追いかける姿が、「桐島」と距離の近い男子に影響を与えるという、ある行動が玉突きのように連鎖する瞬間がいくつか描かれていて、とても気持ちが良い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年4月23日
- 読了日 : 2023年4月23日
- 本棚登録日 : 2023年4月23日
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