[変と不変の狭間で]目まぐるしく国際情勢が移り変わった2016年。変転する世界を前に,いかにしてそれを読み解くかを,歴史と地理という2大要素を用いて実演して見せた作品です。著者は,現代日本を代表する論客と言っても過言ではない佐藤優。
地政学的な見方を提示しながらも,決定論的な話に持っていかないところが魅力の1つ。あまりに多くの変化が世界で起きている中で,本作は1つの重要な指針を読者に提供してくれているように感じます。変転の激しかった2016年を振り返る意味でもオススメの作品です。
〜地政学を単純な地理的決定論で捉えるべきではありません。地政学では,地理的制約条件のうえに,宗教,文化,国家,民族などのさまざまな要因が変数となって,複雑な方程式を形成しているのです。そして現代は,この変数が指数関数的に増えている。その複雑な方程式を,素養のないまま解くことはできません。〜
コンパクトながらも☆5つ
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- 感想投稿日 : 2016年12月26日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2016年12月26日
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