青空文庫にて「白痴」読了。白痴の女性に対して、いつ死んでもいいが、自らの手では殺める度胸がないから空襲で亡くなることを期待していた主人公が実際にとった行動が非常に人間らしい。
タイトルや内容を含め、なかなか強烈な言い回しがある小説だが、当時の時勢や作者の自身が精神衰弱疾患者だったからこそ為せる作品か。
また、ここまで生死と向き合うことのない現代では、差し迫った環境の中で転がり込んできた女性に対しここまで命を張れる機会は無いと思う。いつ終わるかもしれぬ戦争とその時代を希望無く生きる主人公だからこそ、白痴に一握の期待を見出したのだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2011年10月25日
- 読了日 : 2011年10月25日
- 本棚登録日 : 2011年10月25日
みんなの感想をみる