地方競馬を舞台にした女性ジョッキ―の物語です。競馬の知識はある程度あるので、用語等は問題なく理解でき、世界観にすっと入っていくことができました。とにかく主人公や調教師、厩務員たちそれぞれのキャラクターが魅力的で、ベタですが様々な試練を乗り越えていく中で少しずつ同じ方向を向いていく過程がとても面白かったです。女性ジョッキーの目線を通して、地方競馬の置かれている状況を知ることができたのもよかったです。中央ばかりに目を向けてしまうのですが、この物語を読んで地方にも目を向けてみたいと思うようになりました。
レースの描写では瑞穂の感情の表現など若干大げさに感じる部分もありましたが、躍動感を感じる描写は読んでいてワクワクするものがあり、レースのスピード感もうまく書かれていると思いました。読み終わった後はこの世界観に浸っていたくてしばらく前半から読み返したりしていました。そのまま続編を注文したので、この先の話に期待したいと思います。
最後に、今まで藤田菜七子騎手のことはあまり知らなかったのですが、文庫版の巻末の彼女の文章を読み、応援したくなりました。今後注目したいと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青春
- 感想投稿日 : 2017年8月15日
- 読了日 : 2017年8月15日
- 本棚登録日 : 2017年8月15日
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