男とも女ともつかない美女・紫子と人外のびきんぐあの血を引き不思議な能力を持つ風吹は京の遊女屋で恋人となる。しかし姿を消してしまった紫子に仕官先として潜入した佐伯で再会。彼女は体の弱い国主・緑生の入れ替わりを勤めていた。なんとか生き延びてきた小国は今、内部からも外部の織田や毛利からも狙われていた。毛利の舞鶴姫輿入れを目前に緑生が身罷ってしまったことから紫子は風吹と共に戦いに巻き込まれていく。
平安のとりかえばや物語が戦国を舞台にし、変わった女・紫子と鬼という不思議な存在の風吹によって全く違った物語になり、そこに生きる人々が生き生きと描かれとても面白かった。
桜を食う鬼と鎌倉時代に生きた盗賊のお話も妖しく、白衣の狂気が際立ちなんとも形容しがたい印象的なお話だった。
大正時代の周子と深草の百夜通いを下敷きにした話はコミカルで楽しかった。
この作家さん、ちゃんと読んだことなかったけど他の話も読んでみたいな。
読書状況:読み終わった
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27歳【2012-】
- 感想投稿日 : 2012年9月8日
- 読了日 : 2012年9月4日
- 本棚登録日 : 2012年9月4日
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