迷宮百年の睡魔 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2005年5月28日発売)
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本棚登録 : 2075
感想 : 199
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再読です。
ミチルとロイディの二作目ですね。
まず読んですぐにロイディの口調が、前作よりも砕けているのに気づきます。
これは、時間の経過と共にミチルから学習したものと思われます。
あと、もしかしたら前作の最後でミチルが壊れているので、その影響も少なからずあるのかなぁとも。

頭脳と体。
必要なのはどちらなのか。
どちらも自分で、どちらも自分ではない。
一つの体に二つの頭脳。
いつか世界はそんな風になってしまう時が来るのかもしれないと、森先生のこの本を読んでいると思ってしまいます。

本書の中で好きな言葉がありまして、メグツシュカが最後の方に言った言葉で
「――――不思議とはつまり、将来の理解への予感ですね」
というもの。
今は不思議でも、いずれは明らかになると彼女が言っている言葉です。
不思議なことが多いほど楽しいし、不思議だからこそ人は考える。
ミチルは少し考えすぎるきらいがありますが、それがミチルなのでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2011年5月6日
読了日 : 2011年4月27日
本棚登録日 : 2011年4月27日

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