つまをめとらば

著者 :
  • 文藝春秋 (2015年7月8日発売)
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本棚登録 : 880
感想 : 159
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描かれているのは、心の機微、かな。久しぶりに時代小説を読んだと思うんだけど、滋味とでもいうようなものが沁みる気がした。短編集で、『つまをめとらば』の他に『ひともうらやむ』とか、『つゆかせぎ』とかいくつかのお話が収録されている。夫婦関係の話だけではない、というかむしろそれ以外の話の方が多い気がする。『乳付』あたりは、奥さん、あるいはお母さんの側の話ではあるから、単純に男、夫側の心を描いているだけではない。とはいえなんとなく、男の側からの視点が読後感として強かったかな。決してわかるものではないけれど、ちがう心の動きと接するからこそ、生きていける。読んで、そんな印象を持った。どろどろしたところのない、決してお伽噺ではない、ほっとする話ばかりだったと思う。また、読みたくなりそうな、ね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年5月13日
読了日 : 2018年5月13日
本棚登録日 : 2018年5月13日

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