描かれているのは、心の機微、かな。久しぶりに時代小説を読んだと思うんだけど、滋味とでもいうようなものが沁みる気がした。短編集で、『つまをめとらば』の他に『ひともうらやむ』とか、『つゆかせぎ』とかいくつかのお話が収録されている。夫婦関係の話だけではない、というかむしろそれ以外の話の方が多い気がする。『乳付』あたりは、奥さん、あるいはお母さんの側の話ではあるから、単純に男、夫側の心を描いているだけではない。とはいえなんとなく、男の側からの視点が読後感として強かったかな。決してわかるものではないけれど、ちがう心の動きと接するからこそ、生きていける。読んで、そんな印象を持った。どろどろしたところのない、決してお伽噺ではない、ほっとする話ばかりだったと思う。また、読みたくなりそうな、ね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2018年5月13日
- 読了日 : 2018年5月13日
- 本棚登録日 : 2018年5月13日
みんなの感想をみる