姑獲鳥。
読み方と意味が二つあるそうで、
①「うぶめ」と読むと、日本の妖怪。夜中に赤ん坊を抱いた姿で現れて、通行人にその赤ん坊を抱かせようとする。
②「こかくちょう」と読むと、中国の伝承上の鳥。夜間に飛行し、他人の子を攫って自分の子にしたり、子どもの命を奪ったりする。
そんな話が冒頭の、私(関口巽)とその友人、京極堂の長い議論(問答)の中に盛り込まれる。
これが、私(関口)が持ち込んだ事件(謎)の、実は解説のようになっていたと、冒頭部分を読み返して気付いた。
事件(謎)は2つあって、
•妊娠20ヶ月の妊婦が出産しないまま衰弱
•その夫が密室から失踪
ここから、物語が展開していく。
複雑で緻密で、読み終えて、読み返して、「ああ!」
理解に時間のかかる僕には遅れて、この作品の充足感が込み上げてきた。
京極夏彦さんの小説は、ボリュームたっぷりな上、気味が悪そうなため敬遠してきたが、非常に読みやすい文体だった「アリアドネの声」の井上真偽さんが好きな小説として挙げていたため、読むことにした。
怪奇、心理、因習、伝承•••。
ページ数だけでなく中身もさまざまな要素が盛り込まれ重厚感たっぷり。
満腹感に満たされているので、お腹が空いた頃に、また、京極さんにチャレンジしてみようと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月3日
- 読了日 : 2023年12月31日
- 本棚登録日 : 2023年12月31日
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コメント 2件
bmakiさんのコメント
2024/01/03
shukawabestさんのコメント
2024/01/04