99%の誘拐 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2004年6月15日発売)
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本棚登録 : 5050
感想 : 601
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誘拐ではない残り1%は何?

題名を見て、読む直前に頭を掠めた。多くの方もそうだと思う。

でも読み終えると、落ち着いたラストとともに、えっ?!と思うような彼方に着地させられている。(1%もまずまず納得)

物語は、末期がんに冒された男が、8年前に誘拐された息子の事件の詳細を3冊のノートに記す、これを第一章として始まる。

充分なのにこの先がまだあるのか・・・。

というのが、第二章に入ったときの僕の感想で、

結末が分かったかも・・・。

というのが、第三章に入ってしばらくしてからの僕の感想。(3/4外しているが。)

以降は物語と一緒に、疾走感を持って読むことができた。

この作品は吉川英治文学新人賞を受賞しているが、発刊された1988年当時、パソコンはまだ、一般には浸透していなかった。

当時、20歳過ぎの僕が読んでも、おそらく面白さは分からなかっただろう。

よく、審査員に評価されたものだと思う。

岡嶋二人さん、まだ3冊しか読んでいないが、今の僕の、考えの及ばぬ先をちょこっとずつ衝いてくるのが心憎い。

共著名義は全28作あるそうだが、井上夢人(泉)さんの作品も合わせて、目についた作品は読んでいこうと思っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月13日
読了日 : 2022年2月13日
本棚登録日 : 2022年2月13日

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