誘拐ではない残り1%は何?
題名を見て、読む直前に頭を掠めた。多くの方もそうだと思う。
でも読み終えると、落ち着いたラストとともに、えっ?!と思うような彼方に着地させられている。(1%もまずまず納得)
物語は、末期がんに冒された男が、8年前に誘拐された息子の事件の詳細を3冊のノートに記す、これを第一章として始まる。
充分なのにこの先がまだあるのか・・・。
というのが、第二章に入ったときの僕の感想で、
結末が分かったかも・・・。
というのが、第三章に入ってしばらくしてからの僕の感想。(3/4外しているが。)
以降は物語と一緒に、疾走感を持って読むことができた。
この作品は吉川英治文学新人賞を受賞しているが、発刊された1988年当時、パソコンはまだ、一般には浸透していなかった。
当時、20歳過ぎの僕が読んでも、おそらく面白さは分からなかっただろう。
よく、審査員に評価されたものだと思う。
岡嶋二人さん、まだ3冊しか読んでいないが、今の僕の、考えの及ばぬ先をちょこっとずつ衝いてくるのが心憎い。
共著名義は全28作あるそうだが、井上夢人(泉)さんの作品も合わせて、目についた作品は読んでいこうと思っている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年2月13日
- 読了日 : 2022年2月13日
- 本棚登録日 : 2022年2月13日
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