闘争領域の拡大 (河出文庫 ウ 6-4)

  • 河出書房新社 (2018年2月3日発売)
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感想 : 29
5

-くだらない、下衆の極み、フェミニズムのなれの果て-

-神が望まれたのは不平等であって、不当ではない-

-退屈というものは長引くと、退屈のままではいられなくなる。それは遅かれ早かれ、よりはっきりとした痛み、確固たる痛みの感覚に変わる-


【性的行動はひとつの社会階級システムである】

・ウェルベック作品の主題は「自らとその周囲の解明」
・第三者目線からの観察的な記述が多い
・傍観者的な主人公。でも対象化には失敗している
・ショーペンハウアーに毒されただけの事はある


(感想)
現代日本に非常によく当てはまる。
オフパコYouTuberを批判している人も多いが、彼らはこの自由主義社会のヒエラルキー上、頂点に位置するのは間違いない。

また、語り部を自分自身と重ねてしまう部分があった。
傍観者気取ってるものの結局無意識に愛を渇望しているのだと思う。(結果うつっぽくなった事もある)
うつの退院後って燦々とした陽光が凄まじく不愉快に感じられるんだよね。
寓意的な動物小説も彼自身の哲学が現れているようで面白かった。


けれども、やっぱり闘争領域にはうんざりだ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月3日
読了日 : 2021年8月3日
本棚登録日 : 2021年8月3日

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