池澤夏樹さんが、30代に書いた詩集2編。そして、そのころに書いた詩を集めた詩集です。
池澤さんはここ何年かで、再び詩を書きはじめました。でも、落ち着いた詩的世界の広がる最近の作品より、これに載っている30代の頃の詩の方が、わたしは好きなのです。
どこか満たされず、何かを探し求め、掴みかけてはそれを逃し、そしてまた探す…。
20~30代とは、時代背景がどうであれ、そんなことの繰り返しではないでしょうか。
美しい言葉の端々から、そういった苦悩が見え隠れします。自分もまた、苦悩する世代ゆえに、共感の念を隠せないのです。
値段は張りますが、池澤さんがお好きな方にはオススメしたいです。
「塩の道」には、合唱曲「ティオの夜の旅」で使われた詩が収録されています。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説・その他
- 感想投稿日 : 2012年5月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2007年1月11日
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