辺境図書館

著者 :
  • 講談社 (2017年4月19日発売)
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本棚登録 : 485
感想 : 31
5

購入当初、こだわり抜かれた装丁の美しさに、直接触れることを躊躇しました。
本文もそれを裏切りません。
皆川博子さんは他の追随をゆるさない、精緻な骨と爛熟した肉のような文章をお書きになると、ご著作を拝読して私は勝手に思っております。けれど本著からは皆川さんの、アンナ・カヴァンや野溝七生子、マッカラーズ(寡聞にして初めて知りました)に通ずる「少女性」が窺える気が致しました。
それは世間には容易く傷つかされるけれども、文学にーー否、物語に真っ直ぐ相対し、おことばを借りるならそれをブイにして生き抜こうとする透明なたましいの響きにも感じられます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年2月22日
読了日 : 2019年2月22日
本棚登録日 : 2017年4月19日

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