鞠子はすてきな役立たず (河出文庫 や 17-8)

  • 河出書房新社 (2021年8月6日発売)
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価値観の異なる2人が夫婦となり、鞠子の趣味を通じて自分たちなりの生活を築くようになる。
働くことを望まず、周りの意見などにも振り回されず、常に自分らしく楽しい生活を送ろうとする鞠子。一方、「働かざる者、食うべからず」が体に染み込み、そこに違和感を覚えながらも働いてお金を得ることが生きることだと考える小太郎。そんな小太郎も鞠子と生活を共にする中で、だんだんと価値観が変わっていくようになる。
なるほど。鞠子のような生活が送れたら、そりゃ素敵だろうよ。なんだかんだと言っても鞠子のやりたいことをやらせてあげる小太郎は理想な旦那様でしょう。だけど、結局のところ鞠子が趣味に邁進できるのは、小太郎の稼ぎがあってからこそであり、銀行員をやめた小太郎だって小説家としてある程度の収入が得られているからこそ何の心配もなく生活できているのではないか。例えお金がなくても、鞠子は鞠子らしく暮らすのだろうけど趣味を持てるというのは、ある程度お金に余裕があるからこそできることだと思う。
鞠子の考え方や生き方自体は嫌いではないが、あまり共感はできなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月2日
読了日 : 2021年12月2日
本棚登録日 : 2021年12月2日

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