ナミヤ雑貨店の奇蹟

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年3月28日発売)
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泥棒を終えた若者三人組が一夜を明かすことにした場所はナミヤ雑貨店。いまでは廃墟のようだけど、昔は悩み相談で栄えていたらしい。

時空を超えて過去から届く、不思議な相談の手紙に返信し始める若者三人組。なげやりに回答しても相談者がポジティブに受け取ってくれたりして、彼らは人の役に立つ喜びを感じ始める。

児童養護施設『丸光園』に関係する人からの手紙が多いことは明らかで、彼らも『丸光園』出身だった。

ナミヤ雑貨店のナミヤさんと『丸光園』設立者の女性はかつて愛し合っていたが結ばれなかった。二人の時空を超えた愛情が結ぶ奇跡のなかで、若者三人組は泥棒に入った家に戻ることにする。
さっき泥棒に入った家で縛ってきた女は、自分たちが手紙のやり取りで相談に乗った人で、現在は『丸光園』を救おうとしていることに気づいたから。

ナミヤ雑貨店の店主は時空を超えて、若者三人組も更生させる。

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バラバラに登場する人たちが『丸光園』と『ナミヤ雑貨店』で繋がっていくのが爽快。

第四章『黙禱はビートルズで』で、中学生のときに手放したレコードと三十年以上の時間を経てから再会する場面がいちばんグッときた。『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』は超名盤。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 東野圭吾
感想投稿日 : 2019年7月22日
読了日 : 2019年7月19日
本棚登録日 : 2019年7月20日

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