旅先でスポーツ観戦と温泉を楽しんだり、ひたすら渡辺篤史氏を愛でたりする面白エッセイ。
やはり万城目さんの文章はとても愉快。何度も笑わせてもらえた。(アキレス腱断裂については、明日は我が身だと思って笑えなかった。怪我は恐ろしい)
『渡辺篤史の建もの探訪』ってそこまで面白いのかとパソコンで検索してみると、表示された動画たち(たぶん違法アップロード)の再生数はどれも1万回前後になっていて、一定数のファンがいることがわかった。
動画視聴者たちは渡辺篤史のことが好きで観ているのか、建物が好きなのかはわからないが、違法動画ではなく万城目さんのようにバッチリと録画視聴するのが本当のファンだとも思う。
井上靖好きの万城目さんが、苦しみながら井上靖の本を十六冊読破する、”芋粥”エピソードが印象的だった。
読書の楽しみなどはとっくに超越して、悶絶のトンネルを抜けた先に待っている快感。本当にそんなものがあるのか知らないし、真似してみることもきっとない。だから、万城目さんの気持ちはわからないが、ただただ面白かった。面白いことは正しい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
万城目学
- 感想投稿日 : 2020年11月13日
- 読了日 : 2020年11月12日
- 本棚登録日 : 2020年11月12日
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