世にも奇妙な人体実験の歴史

  • 文藝春秋 (2012年7月6日発売)
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感想 : 88
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教えてもらわなければ絶対手に取らなかったであろう本。

現代の我々が服用する薬、手術の際に使うレントゲンや麻酔などは勇敢な研究者たちが自身の身体で試して改良され、安全性が高められている。
迷信めいたインチキ医療が蔓延っていた時代に、危険を冒して研究を進めていった人々。彼らは抜群に知能が高く、ときおり頭がおかしいとしか思えない冒険に挑む。自ら性病に罹ったり、自分の身体にカテーテルを挿入したり、実験として大西洋を漂流して死にかけたりする。
彼らの命がけの実験があって現代の医療があるのだ、と思うと感慨深いものがある。

医療的な話だけでなく、サメを研究する人々や、深海の世界、音速に挑む人たちも登場して、とても興味深い内容だった。

2020年はコロナウイルスのせいで世界中が大混乱の状況になっているけど、数十年後には有効なワクチンが登場して「かつてコロナウイルスによって世界中が混乱した時期がありました」とか言っているのかもしれないな。
いつだって人々を守ってくれるのは医療関係者の人たちだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2020年9月16日
読了日 : 2020年9月14日
本棚登録日 : 2020年9月14日

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