風神雷神 雷の章

著者 :
  • 講談社 (2017年8月30日発売)
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本棚登録 : 386
感想 : 65
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柳広司らしい仕掛けがなく、随分普通の歴史小説だなあという印象。
史実でわかっていることが少ない俵屋宗達の作品の成り立ちについて、(おそらく)想像をめぐらして描いている。
想像が合っているかどうかはどうだろう?
たとえば、関屋澪標図屏風受注の場で、源氏物語が「かな」で書かれているために「蔑まれ」「二流以下とみなされた」ので、施主の三宝院門跡覚定が恥ずかしがっているというのは、平安時代のうちから、高級貴族の男性たちによって数々の注釈本が書かれてきたことを考えると、疑問を感じずにいられない。「かな」文学が蔑まれていたのなら、古今伝授なんて現象起きないのでは。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本小説(歴史)
感想投稿日 : 2018年9月1日
読了日 : 2018年8月31日
本棚登録日 : 2018年9月1日

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