伊那市立図書館から借り出し
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記紀をはじめ,古語拾遺,風土記,旧事記を捜索し,新撰姓氏録,地名辞書,柳田國男の著作や地域に残る伝承を参考に,銅鐸の発掘成果を照合して,古代の鉱山資源の利用とそれにあたった人材を考察している.
青銅というタイトルではあるが,鉄とそれを作るたたらについての記事が多く,古代製鉄を探る上でも一度は目を通しておきたい労作である.
地名と人名を手がかりにしてしている点が本書の画期的なところであったと思われる.銅鐸はもとより消費財ではないし,ほかに古代の銅製品とすれば銅矛や本書にも現れる銅鏡,やや下っては仏像などがあるが,その流通や加工についての言及はやや薄い.また,銅の量産普及版ともいえる鉄製品について,奈良平安の記録や考古学方面から別に言えることも,まだまだあるように思う.
具体的な地名や人名が,重複も含め,これでもかというぐらい頻出している点では,とても楽しい読み物でもある.
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年4月16日
- 読了日 : 2018年4月16日
- 本棚登録日 : 2018年4月16日
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