きずなと思いやりが日本をダメにする 最新進化学が解き明かす「心と社会」

  • 集英社インターナショナル (2016年12月15日発売)
3.98
  • (14)
  • (16)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 245
感想 : 16
4

進化生物学者と社会生物学者、2人の先生が現在の日本社会について対談する、というちょっと面白い切り口の本。読んでいると、お2人とも歯に衣着せぬ感じの物言いで、タイプが似ているからこそ相乗効果的に話が進んでいくテンポの良さがあります。
対談となると、他に対決している流れのものと一方がインタビューする流れのものがあるように思うのですが、双方に専門知識があるなら今回のような流れは面白いなぁ、と感じました。とは言え、じゃあこの対談に反対の意見を持つ人を1人加えてみたらどうなるだろう、と興味を持ってしまうのも事実ですが。。

日本社会が抱える問題に対して、2人の専門分野の中から知見が出てくる訳ですが、専門分野を少し離れて「子育て」や「いじめ」なんかを対象にカジュアルめな対談をしているのが、変な物言いですが贅沢な印象を受けました。
各分野でトップクラスの頭脳が、まるで居酒屋で雑談をしているようなスペック持て余し感ですが、「へー」となる話がちょいちょい出てきます。個人的には総じて面白く読めました。

ちなみに、一部のサブタイトルについて、おそらくその後に本文を削ってしまったからか、サブタイトルの内容が全く本文に出てこないという箇所がありました。そこも読みたかったなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: なんとなく興味ある圏
感想投稿日 : 2018年4月8日
読了日 : 2018年4月8日
本棚登録日 : 2018年4月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする